クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦

クレヨンしんちゃん 電撃! ブタのヒヅメ大作戦

1998年4月18日に公開された『クレヨンしんちゃん 電撃! ブタのヒヅメ大作戦』は、劇場版『クレヨンしんちゃん』の第6作目であり、約99分の上映時間とともに、約11億円の興行収入を記録しました。この作品は、野原一家以外のキャラクターが主役または準主役として描かれた初の映画で、しんのすけの親友たちは「かすかべ防衛隊」として登場します。また、これまでの作品には登場しなかった実在の外国もストーリーに組み込まれています。

この映画の特徴の一つは、リアリティを追求した銃撃戦や格闘シーンです。登場する銃器はすべて実在するもので、作画用の設定書には射撃時のマズルフラッシュや装弾数まで詳細に描かれており、観客は迫真のアクションシーンに引き込まれます。監督の原恵一は、過去のアクション映画からのインスピレーションを受け、炎の友情をテーマにした冒険アクション映画を目指したと語っています。

本作では、エロティックな要素を持つキャラクターとして三石琴乃が起用され、彼女が演じるお色気は、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のミサトを意識したキャラクター設定になっています。作品の中では、しんのすけが「しんちゃん」と呼ばれるのもこの名作からの影響とされています。

物語の舞台は、国連直属の秘密組織SMLの一員であるお色気が、秘密結社ブタのヒヅメの飛行船から重要なディスクを盗み出したところから始まります。彼女は幼稚園の教諭や園児たちとともに、屋形船で宴会を楽しんでいましたが、突如現れた飛行船によってさらわれてしまいます。困惑する園児たちに、しんのすけとその仲間が同じ屋形船に乗っていたことがわかり、さらなる冒険が始まるのです。

物語は、しんのすけの家族が彼を救おうと奮闘する姿を描いています。筋肉という大男が登場し、みさえとひろしは彼から全体の状況を知らされ、しんのすけの無事を信じることに。みさえは、自分たちも助けに行きたがりますが、筋肉によって制止され、家族は香港に急ぐことを決めます。

一方で、屋形船にいたしんのすけたちは、次々と困難に直面します。お色気ともども捕らえられてしまいますが、彼らの絆と冒険心が物語を進行させます。しんのすけと仲間たちが、ブタのヒヅメ本部へ向かう中、様々な試練を乗り越えていく姿は、友情や勇気の重要さを改めて教えてくれます。

最後には、コンピュータウイルスを巡る対立の中で、しんのすけの言葉によってぶりぶりざえもんが現れ、重要な役割を果たします。最終的には感動的な結末が待っており、しんのすけの成長を感じさせる、古き良きアドベンチャーアニメとしての魅力が詰まった作品となっています。

このように『クレヨンしんちゃん 電撃! ブタのヒヅメ大作戦』は、コミカルな要素とシリアスな展開が見事に融合した作品で、視聴者に深い感動と楽しさを与えることができる優れた劇場版映画です。

もう一度検索