クレージーモンキー 笑拳

クレージーモンキー 笑拳

『クレージーモンキー 笑拳』は1979年に製作されたアクション映画で、ジャッキー・チェンが監督と主演を務めた作品です。これは彼の初監督作であり、ジャッキーが設立した個人プロダクション「豊年影業公司」の第一作目となっています。この映画は、香港で1979年2月17日に公開され、同年の年間興行成績で第2位を記録しました。映画の成功により、ジャッキーの報酬は6,000香港ドルから410万香港ドルに急上昇しました。

本作の特徴

特徴的なのは、ヒロインとなる女性キャラクターが登場せず、ジャッキー自身が女装するシーンが存在することです。アクション映画としては異色の形に仕上がっています。

ストーリー

物語は清朝末期の広東を舞台にしています。政府は、国の方針に従わない武芸流派を排除するために、強力な殺し屋エンを送り込み、次々に抹殺していきます。山の中に身を隠し、身分を隠して暮らしている老人チェンは、「行意門」という流派の生き残りでした。チェンは孫のシンロンに武術を教え、流派の再興を願っていますが、シンロンはその真意を知らず、怠惰な生活を送っています。

ある日、シンロンはイカサマ博打を見破り、3人のチンピラを倒すことから運命が変わります。彼は道場破りとして名を馳せるようになり、「行意門道場」というニセ道場を運営することになります。ところが、チェンがシンロンに自身の存在を明かしたことで、エンに家族を襲撃されてしまいます。チェンは老いと病により抵抗できず、命を落としてしまいます。

復讐の旅

祖父の死を目の当たりにしたシンロンは、復讐を誓います。そこに現れた長髪の老人「8本足の麒麟」が彼にアドバイスを与え、復讐のために鍛え直すことを約束します。厳しい修行を重ねたシンロンは、「行意門」の奥義を習得し、感情をベースにした4つの型を学びます。

登場キャラクター

• - 興隆（シンロン）: チェンから武術を教わりながらも、放蕩な生活を送る青年。
• - 陳鵬飛（チェン）: シンロンの祖父で、流派の最後の生き残り。
• - 任天化（エン）: 政府派遣の制圧者であり、冷酷な殺し屋。
• - 八脚麒麟: チェンの旧友で、シンロンを教え導く。
• - 石富（シーフー）: ニセ道場の運営者で、シンロンを利用して金を得ている。

映画の影響

『クレージーモンキー 笑拳』は、ジャッキー・チェンが初めて監督業に挑戦した作品であり、その後のキャリアにおいても重要な意味を持つ作品となりました。この映画が成功を収めたことで、彼は多くの作品で監督を務めるようになります。

日本においては1980年4月19日に公開され、ジャッキー・チェンの主演映画としては3本目にあたります。日本版の公開に際して独自の編集が加えられ、アニメーションやオリジナル主題歌が挿入されています。

まとめ

「クレージーモンキー 笑拳」はジャッキー・チェンの才能を示した作品で、戦闘と感情が交錯する物語展開が特徴的です。映画の中で描かれる人間ドラマは、観客に深い感動を与え、アクション映画としての魅力も充分に備えています。

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