クロカビ

クロカビについて

クロカビとは、主に黒っぽい外観を持つカビの総称であり、一般的には色を基に名付けられた種類が多いです。肉眼でカビの詳細な構造を確認することが難しいことから、その名称は色によって広がりを持っています。このような黒っぽいカビには、いくつかの異なる属が存在しますが、特に有名なのは以下の二つです。

コウジカビ（Aspergillus niger）

一つ目の代表的なクロカビはコウジカビの一種、Aspergillus nigerです。一般的には「クロコウジカビ」とも呼ばれていますが、実のところ黒い胞子を生成するコウジカビの種はこれだけではありません。実際には、さまざまな科にわたるコウジカビが含まれ、その中には同様に黒色の胞子を持つものが存在します。このため、通常はこれらを特定しないで「クロカビ」として括られることが多いのです。

クラドスポリウム（Cladosporium）

次に挙げられるのがクラドスポリウム（Cladosporium）です。このカビは特に、壁に発生するシミの正体として知られていることが多く、そのため一般の家庭でもよく見られます。クラドスポリウムはその菌糸自体にも色が付いており、培養することで得られるコロニーは深緑色に見えることが一般的です。

英語での表現

興味深いことに、英語では「Black Bread Mold」（黒いパンのカビ）というと、通常クモノスカビやその一種であるRhizopus stoloniferを指します。このクモノスカビは、特に食物に発生しやすいカビであり、食品業界や家庭で見られることが多いため、よく知られています。

カビの影響

クロカビは見た目が黒いことから、特に嫌われる存在ですが、実際にはほとんどが自然に存在するものであり、生活環境における微細な生態系の一部といえます。これらのカビは、分解者としての役割を果たし、有機物を壊して土に返す重要な働きを持っています。しかし、特定の条件下で繁殖が進むと、健康障害を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

注意点

カビの発生は湿度や温度に大きく影響されるため、特に湿気の多い場所では注意が必要です。見つけた場合には、適切に取り除くことが求められ、特に免疫力が低下している人やアレルギー体質の人に対して有害であることが知られています。

クロカビを含むカビ類は、環境において重要な役割を果たしていますが、その発生を助長しないような管理が必要です。

もう一度検索