クロケル

クロケル（Crocell）は、悪魔学において重要な位置を占める悪魔の一人です。プロケル（Procel）、プケル（Pucel）、ポケル（Pocel）といった異名も持っています。

ゴエティアにおけるクロケル

『ゴエティア』によれば、クロケルは地獄の48の軍団を指揮する、序列49番の偉大なる公爵として描かれています。召喚された際には、美しい天使の姿で現れるとされています。クロケルは、隠された物事について謎めいた口調で語り、召喚者に対して幾何学や教養学といった学問を教えることができるとされています。

また、クロケルは水に関する特別な力を持つと伝えられています。召喚者の命に応じ、大水が押し寄せるような轟音の幻聴を聞かせたり、水を温めたり、温泉を発見したりすることが可能です。これらの能力は、クロケルの神秘的な性質を象徴するものとして捉えられています。

能天使としての過去

クロケルは、かつて能天使の位にあったと伝えられています。堕天する以前は、高位の天使として存在し、ソロモン王に対して自らの過去を明言したとされています。この過去は、クロケルの複雑な性格や、悪魔としての現在の姿を理解する上で重要な要素となります。

日本のオカルトにおけるクロケル

日本のオカルト研究家である江口之隆は、クロケルについて独自の考察を展開しています。江口は、『西洋魔物図鑑』において、クロケルがユーフラテス川を支配していた龍神だったのではないかという推測を提示しています。この説は、クロケルの水に関する能力や、古代の神話との関連性を示唆するものとして興味深いです。

参考文献

* S.L. MacGregor Mathers and Aleister Crowley, The Lesser Key of Solomon(1904),p38 The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）

クロケルは、悪魔学における興味深い存在であり、その能力や過去、そして様々な解釈を通じて、多くの研究者やオカルティストの関心を集めています。

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