クロムクロ

クロムクロ

「クロムクロ」は、P.A.WORKSが制作したオリジナルテレビアニメで、2016年4月から9月までAT-X、TOKYO MX、サンテレビなどで放送されました。本作はP.A.WORKSの15周年を記念する作品として位置付けられています。特筆すべきは、同社として初のロボットアニメである点です。

概要

本作は2015年12月にP.A.WORKSのTwitterで初めて発表され、その後の「P.A.WORKS 15周年展」で正式に情報が公開されました。その際にはキービジュアルや予告編、主要スタッフおよび声優陣も発表されています。監督は『DARKER THAN BLACK』や『青の祓魔師』の岡村天斎、シリーズ構成は『Another』の檜垣亮、キャラクターデザインは石井百合子が担当しました。

設定は富山県で、黒部ダムや立山連峰などの観光名所がストーリーに絡んでおり、作品内で実際の地理的背景を豊かに表現しています。このアニメは、放送終了後の2018年には続編として小説「クロムクロ 秒速29万kmの亡霊」が登場しました。

ストーリー

物語は2016年、富山県の立山に設立された国連主導の「国際連合黒部研究所」が舞台です。ここでは、「アーティファクト」と呼ばれる遺物の研究や、ジオフレームという人型兵器の実験が行われています。物語は、研究所所長の娘である白羽由希奈と彼女の友人、荻布美夏の訪問から始まります。

ある夏の日、研究所に異変が起き、謎の飛行物体が落下し、多くのロボットが研究所を襲撃します。由希奈は、偶然触れたアーティファクト「ザ・キューブ」から450年前の戦国時代の侍、青馬剣之介が出現することになります。彼は由希奈を「姫」と呼び、共に敵に立ち向かいます。

剣之介は現代が自分のいた時代よりも遥か未来であることに戸惑いながらも、研究所の人々に拘束されることになります。由希奈は彼を信じ、剣之介は彼女のクラスメイトとして立山国際高校に転入します。その後、地球の衛星軌道には巨大な宇宙船があり、そこからジオフレームが降下してきます。剣之介と由希奈は、クロムクロの操縦に選ばれ、仲間たちと共に「鬼」と呼ばれる謎の敵と戦いの日々を送ります。

登場人物

主要人物

青馬剣之介 時貞

主人公で、450年前の戦国時代から現代に目覚めた侍。直情的で武人としての側面があり、由希奈に深い絆を持つようになります。戦いの中で成長し、彼女を守るために命を賭ける決意を抱きます。

白羽由希奈

本作のヒロインであり、立山国際高校の2年生。のんびりした性格を持ち、剣之介との出会いを通じて成長していきます。彼女はパイロットとしても奮闘し、仲間のために戦う姿を見せます。

ソフィー・ノエル

由希奈のクラスメイトで、互いに支え合いながら戦闘に挑む仲間です。冷静で能力に優れたキャラクターとして、戦闘訓練や戦術の面で貢献する重要な役割を果たします。

結末

物語のクライマックスには、各キャラクターが自らの運命をかけた激闘が待ち構えており、友情や愛情、戦いの中で明らかになる真実が展開されます。最終的に剣之介や由希奈たちはクロムクロと共に新たな未来を目指して旅立ちます。特に、由希奈のエピローグでは彼女が仲間たちと共に宇宙への冒険に出発する姿が描かれ、物語全体としてのテーマである未来への希望がしっかりと示されています。

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