クロンシュタット

クロンシュタットの紹介

クロンシュタット（Кроншта́дт, Kronstadt）は、ロシアのサンクトペテルブルクの北西約32キロメートル、フィンランド湾のコトリン島に位置する都市です。この町は主にバルチック艦隊の軍港として知られています。また、クロンシュタットはサンクトペテルブルク市の一部であり、クロンシュタット区として行政的に位置付けられています。2021年のデータによると、この区の人口は約4万3000人です。

歴史

ロシア帝国時代

クロンシュタットの歴史は、1703年に始まります。大北方戦争の最中、ロシア帝国軍はスウェーデンのコトリン島を占領し、ピョートル大帝がこれを要塞化しました。この要塞の目的は、首都サンクトペテルブルクを守ることでした。1720年代には、この地はバルチック艦隊の主要な基地へと成長し、その重要性は年々増していきました。

19世紀半ばには、軍のエンジニアであるエドゥアルド・トドレベンによって町が大規模に改築され、城壁で囲まれた町として発展しました。この城壁は防衛のための役割を果たし、クロンシュタットの軍港としての地位を確保する助けとなりました。

クロンシュタットの反乱

20世紀初頭、ロシアでは革命が活発化していきました。1905年には、クロンシュタットの水兵たちが帝室に対して大規模な反乱を起こし、その活動は急速に広がりました。しかし、この反抗のより大きな局面は1921年に訪れました。

この年の3月7日、クロンシュタットの水兵たちはボリシェヴィキ政権に対して蜂起しました。彼らは「全ての権力をソヴィエトヘ!」というスローガンの下、自由選挙の保障や言論・出版の自由、政治犯の釈放、個人財産の所有権などを求めました。この蜂起は、革命的な理想が失われつつある中で、初めて行動を起こした、多くの支持を受けた運動でした。

しかし、当時のロシア共産党政治局員であったグリゴリー・ジノヴィエフが迅速に軍を派遣し、トゥハチェフスキーの指揮の下でこの蜂起は鎮圧されました。この事件は、ボリシェヴィキ政権にとって最大の反政府活動の一つとされ、社会的な緊張が高まる結果になりました。なお、クロンシュタット蜂起を鎮圧した指揮官としてしばしばレオン・トロツキーの名前が挙げられることがありますが、彼は当時南部戦線を担当しており、実際にはトゥハチェフスキーが指揮していました。

トロツキーは後にこの事件を反革命的な蜂起と見なし、ソ連政府に対する鎮圧を擁護する立場を取ったことで知られています。クロンシュタットの反乱がもたらした影響は、その後のロシアにおける政治状況に深い影を落としました。

まとめ

クロンシュタットは、サンクトペテルブルク近郊に位置する重要な歴史的地点です。軍港としての役割に加え、数々の歴史的出来事の舞台にもなりました。特に、20世紀における反乱の背景を考えると、クロンシュタットはロシアの歴史の中で特別な位置づけを持っていることがわかります。

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