クロード・ジディ

クロード・ジディ（Claude Zidi）は、1934年7月25日に生まれたフランスの映画監督であり脚本家です。

彼のキャリアは、コミカルで賑やかな娯楽作品、特にバーレスク・コメディと呼ばれるジャンルで知られています。フランスの首都パリで生まれたジディは、映画界での第一歩をカメラマンとして踏み出しました。その後、撮影監督として経験を積み、1971年に自ら監督・脚本を手掛ける形で映画監督としてのデビューを果たしました。

彼の監督作には、多くの人気コメディシリーズや個性の光る単独作品があります。中でも、1984年に公開された『フレンチ・コップス』（Les Ripoux）は、彼の代表作として挙げられます。この作品はフランス映画界最高の栄誉とされるセザール賞において、最も優れた作品に贈られる最優秀作品賞と、その年の最も優れた監督に贈られる最優秀監督賞という主要2部門を同時に受賞する快挙を成し遂げました。さらに、同作の脚本も最優秀脚本賞にノミネートされるなど、脚本家としての手腕も高く評価されました。

そのキャリアを通じて、彼は20本以上の長編映画を監督しています。以下に主な監督作品を年順にリストアップします。

『クレイジー・ボーイ／突撃大作戦』 (Les Bidasses en folie, 1971年)
『クレイジー・ボーイ／金メダル大作戦』 (Les fous du Stade, 1972年)
『クレージー４人組／スーパーマーケット珍作戦』 (Le grand bazar, 1973年)
『クレイジー・ボーイ／ミサイル珍作戦』 (Les Bidasses s'en vont en guerre, 1974年)
『おかしなおかしな高校教師』 (La Moutarde me monte au nez, 1974年)
『冒険喜劇　大出世』 (La Course à l'échalote, 1975年)
『手羽先とモモ』 (L'aile ou la cuisse, 1976年)
『ムッシュとマドモワゼル』 (L'Animal, 1977年)
『La Zizanie』 (1978年)
『Bête mais discipliné』 (1979年)
『ザ・カンニング IQ=0』 (Les sous doués, 1980年)
『Inspecteur la Bavure』 (1980年)
『ザ・カンニング／アルバイト情報』 (Les Sous-doués en vacances, 1982年)
『Banzaï』 (1983年)
『フレンチ・コップス』 (Les Ripoux, 1984年) - セザール賞最優秀作品賞・最優秀監督賞受賞
『Les rois du gag』 (1985年)
『Association de Malfaiteurs』 (1987年)
『ふたり』 (Deux, 1989年)
『Ripoux contre ripoux』 (1989年) - 『フレンチ・コップス』の続編
『La Totale!』 (1991年) - 後にハリウッドで『トゥルーライズ』としてリメイクされた作品
『Profil bas』 (1993年)
『アルレット』 (Arlette, 1997年)
『アステリクスとオベリクス』 (Astérix et Obélix contre César, 1999年) - 人気コミックシリーズを実写映画化
『La boîte』 (2001年)
* 『Ripoux 3』 (2003年) - 『フレンチ・コップス』シリーズ第3作

クロード・ジディは、その軽快なタッチとユーモアあふれる演出で、長年にわたり多くの観客に愛される作品を生み出し続けました。フランス映画史における娯楽コメディ映画の重要な担い手の一人と言えるでしょう。

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