クヮンガクッ

バラエティ番組『クヮンガクッ』：関西の若手芸人たちが挑戦した、予測不能な企画の数々

1999年10月5日から2001年3月20日まで、毎日放送（MBS）テレビで放送されたバラエティ番組『クヮンガクッ』。そのタイトルは、制作スタッフの多くが関西学院大学（関学）出身であることに由来すると考えられています。キャッチコピーは「ヒマだからドキュメント」。この言葉が示す通り、番組は型にはまらない自由な企画で、視聴者を飽きさせませんでした。

baseよしもと芸人たちによる、梅田～難波間の珍道中

番組の中心となったのは、baseよしもとに所属するお笑い芸人たち。彼らは、梅田から難波までの間を舞台に、さまざまな企画に挑戦しました。テレビ初レギュラー、あるいは初出演の芸人が多く、フレッシュな彼らの姿が魅力の一つでした。

様々な企画：街中を舞台にした、笑いと予測不能な展開

企画は大きく分けて以下の通りです。

梅田～難波間を行き来するクリア型企画: 制限時間や条件をクリアするまで、芸人たちは梅田と難波間を何度も往復しました。成功すれば難波に近づき、失敗すれば梅田に戻されるという、緊張感と笑いが入り混じった企画です。
御堂筋を少しずつ進むゲーム型企画: 梅田をスタート地点、難波を高島屋ゴール地点とした企画では、ゲームに成功すると御堂筋を少しずつ進むことができました。しかし、途中で失敗すればスタート地点に戻されるという、スリリングな展開が特徴です。
中継地点が不明な企画: 梅田を出発し、難波を目指す企画。しかし、中継地点は事前に分からず、思わぬ場所に連れて行かれるというサプライズ要素が盛り込まれていました。
梅田～難波間以外の地域を舞台にした企画: 例えば、漁場で魚に印を付け、それが黒門市場に辿り着くかどうかを追跡するなど、関西の様々な場所を舞台にした企画もありました。

レシートすごろく：陣内智則の5ヶ月に渡る壮絶な旅

番組の中でも特に話題となったのが「レシートすごろく」です。陣内智則が梅田をスタート地点に、通行人からもらったレシートに書かれたお店の場所を辿っていくという企画。通行人が自発的にレシートを「あげる」と言わない限り無効というルールのもと、陣内は日本全国を飛び回るハメになりました。

北海道から沖縄、そして東京と、予想だにしない展開が次々と繰り広げられます。レシート一枚一枚に、陣内とスタッフの運命が託されていました。特に、難波高島屋の手前で堺市の泉北高島屋のレシートを引き当てたシーンは、視聴者に大きな笑いと感動を与えました。この企画のロケは5ヶ月にも及び、最終的に難波の高島屋でゴールを迎えました。

うまいもんすごろく：食を巡る陣内の新たな冒険

「レシートすごろく」に続く陣内智則の挑戦として、「うまいもんすごろく」が企画されました。難波の高島屋前からスタートし、通行人から「うまいもん」を聞き、その店で食事をして、梅田の阪神百貨店地下のイカ焼きを食べるという企画です。食事代は陣内が負担し、ゴールするまで返ってこないという、厳しいルールでした。

その他の企画と、番組の軌跡

番組には、他にも様々な企画がありました。チュートリアルが挑戦した「赤い傘に入れてもらって」は、梅田から難波まで道行く人の赤い傘と一緒に移動するという、梅雨限定の企画です。しかし、なかなか雨が降らず、お天気おじさん今出東二が梅雨明けを宣言したことで、番組史上唯一の未達成企画となってしまいました。

番組は関西ローカルが基本でしたが、テレビ高知や宮崎放送でも放送されていました。また、レシートすごろくの総集編は、深夜に生放送されるなど、大きな話題となりました。

番組終了後も、『ジャイケルマクソン』で梅田～難波間を舞台にした企画が行われるなど、その影響は後の番組にも見られます。

『クヮンガクッ』は、若手芸人たちの才能と、型にはまらない自由な発想が光る、独特のバラエティ番組でした。その自由奔放な企画の数々は、多くの視聴者に笑いと感動を与え、関西のテレビ史にその名を刻みました。

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