クワイエット・プレイス

『クワイエット・プレイス』（原題：A Quiet Place）

『クワイエット・プレイス』は、2018年にアメリカで公開されたホラー映画で、作品を通じて音が持つ恐ろしさと家族の絆を描いています。監督はジョン・クラシンスキー、その脚本はブライアン・ウッズ、スコット・ベック、そしてクラシンスキーが手掛けました。映画の舞台は、盲目で聴力が異常に発達した怪物が徘徊する静かな世界。生き残るためには、音を立てないことが絶対条件です。

ストーリー概要

物語は、怪物に支配された地球を背景にしています。視覚がない代わりに、怪物は聴覚に優れ、少しでも音を出すと瞬時に襲いかかります。ここで生き残る方法は、ひたすら音を出さずに生活することだけです。アボット一家、すなわち父のリー、母のイヴリン、そして3人の子供たち（リーガン、マーカス、ボー）は、この厳しい環境下でもなんとか生活を続けています。

リーガンは聴覚障害を抱えているため、家族は手話を使って意思疎通をしており、事前に周囲の音を察知するために工夫をしています。家族は、静かに歩くために裸足で移動したり、玩具も音の出ないものを選んだり、音を立てずに日常を送るさまざまな術を駆使し、生き延びているのです。

この一家は、広大な農場の一角にある一軒家で孤立して生活しています。かつての世界の状態は、新聞やラジオで垣間見えるものの、他の人々がほぼ壊滅していることは織り込まれているのです。日々の生活における危険を乗り越えようと奮闘する家族ですが、やがて悲劇に見舞われます。幼いボーが持ち帰ったおもちゃの電池が音を立て、怪物に見つかってしまい、目の前で命を落としてしまうのです。

家族の葛藤と成長

ボーの死から1年後、アボット一家は依然として音を立てない生活を続けていますが、彼らは常に恐怖に晒されています。リーガンは、弟の死について自分の責任を感じ、自己嫌悪に陥ります。父のリーは彼女を励まそうとしますが、リーガンは次第に家族との関係がぎくしゃくし、孤独を感じるように。

そんな中、父親は息子マーカスに釣りを教えようとし、2人で外に出ることにします。この唯一の大きな音の中で、ようやく彼らは声を交わすことが許されます。しかし、リーガンは家族から疎外されている気持ちを抱き、独りで弟の墓参りに行くことに。その期間中、イヴリンは出産の兆候が現れますが、これがさらなる危険をもたらします。

彼女が音を立てると怪物が襲いかかり、やがて一家は自宅で怪物との死闘を強いられることとなります。家族が一丸となり、恐怖に立ち向かう姿は、観客に深い感動を与えます。

キャストと制作

本作でのキャストには、リーを演じたジョン・クラシンスキーや、イヴリン役のエミリー・ブラント、聴覚障害者のリーガン役には実際に聴覚障害を持つミリセント・シモンズが名を連ねています。クラシンスキーは演出にあたって現代の社会問題を映し出そうともしており、家族の絆と同時に現代社会の危機感を描く作品として仕上げました。

興行成績と評価

『クワイエット・プレイス」は公開初週末に高い興行成績を収め、大ヒットを記録。その後のレビューも絶賛され、批評家から高評価を受けました。観客への強いメッセージ性や、恐怖と感動を巧みに絡めた展開が、多くの視聴者の心に響いています。

このように『クワイエット・プレイス』は、ただのホラー映画に留まらず、家族の繋がりや愛、恐怖に立ち向かう強さが見事に描かれた作品で、未来への希望も垣間見せます。そして続編も既に製作中で、さらなる物語が展開されることが期待されているのです。

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