クンビア

クンビア：コロンビアの魂を揺さぶるリズム

クンビアは、コロンビアの沿岸地方で生まれた伝統的な音楽と舞踊です。バンブーコと並び、コロンビアを代表する音楽として、その独特なリズムと旋律は多くの人々を魅了し続けています。

起源：アフロと先住民の文化が織りなす音楽

クンビアの発祥地については諸説ありますが、マグダレナ川下流域が有力視されています。この地域は、かつて「ポカブイ」と呼ばれており、アフロ系の人々が奴隷として連れてこられた歴史を持ちます。彼らが歌とダンスによってエスニックグループの記憶を共有し、次世代に伝えようとした営みが、クンビアのルーツとなっています。

そこに、この地域で育まれたシヌー文化に属する先住民の伝統楽器やメロディが加わり、クンビアの原型が形成されました。宗教的・精神的なテーマや典礼を取り上げたものが多いことや、アフロ系のコミュニティの宗教儀式に起源を持つとされるろうそくを持って踊るダンスからも、そのルーツを垣間見ることができます。

リズムと楽器編成：クンビアを彩る要素

クンビアのリズムは、基本的に4分の2拍子です。使用される楽器は、ガイタと呼ばれる縦笛、フラウタ・デ・ミージョと呼ばれる横笛、ジャマドール、アレグレ、タンボーラなどの太鼓、そしてマラカスやグアチェなどです。

ガイタ: 穴の数が異なる2種類があり、それぞれ異なる音色を奏でます。先住民起源の楽器で、クンビアのメロディラインを特徴づける重要な要素です。
太鼓: サイズや形状が異なる複数の太鼓が、それぞれ異なるリズムを刻みます。これらの太鼓が織りなすポリリズムが、クンビアの大きな魅力となっています。
マラカス、グアチェ: リズムにアクセントを加える役割を果たします。

ポピュラー音楽化と国際的な広がり

1950年代から1960年代にかけて、クンビアはポピュラー音楽として急速に広まりました。しかし、その中には、音楽的にはポロに近いものも含まれています。

1981年には、「La Colegiala」という曲が大ヒットし、世界中で愛されるようになりました。この曲は、コロンビアのコーヒーをイメージさせる音楽として、土産店でCDが販売されるほどです。また、Zumbaダンス・エクササイズなどにも取り上げられ、リバイバルヒットしています。

関連ジャンル：多様なクンビアの派生

クンビアは、様々なジャンルと融合し、新たな音楽を生み出してきました。

チチャ: ペルーでクンビアから派生した音楽です。
デジタル・クンビア: アルゼンチンのクラブZZKから発信され、欧米のアンダーグラウンドで流行しました。打ち込みで作られるのが特徴です。

参考文献

De Lima, Emirto. Folklore Colombiano. Fundación Cultural Nueva Música, 2009
Portaccio Fontalvo, José. Colombia y su Música. Volumen 1 - Canciones y fiestas de las llanuras del Caribe y Pacifico. Diagramación, 1995

外部リンク

ディスコス・フエンテス（スペイン語）
Muchachita por Jose Luis Rodriguez Velez （スペイン語）
ソニー・ミュージック・ラテン（英語）
ユニバーサル・ミュージック・ラテン・エンターテインメント（英語）
ZZKレコーズ（英語）

クンビアは、そのルーツであるアフロと先住民の文化を色濃く残しながら、時代とともに進化し、多様な表情を見せています。コロンビアの魂を揺さぶるクンビアのリズムに、ぜひ触れてみてください。

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