グッバイ、ドン・グリーズ!

映画『グッバイ、ドン・グリーズ！』について

『グッバイ、ドン・グリーズ！』（英語：Goodbye, Don Glees!）は、いしづかあつこが監督と脚本を手掛けた日本のアニメーション映画です。2022年2月18日から全国200館で公開され、多くの観客の心をつかみました。本作は、いしづかが初めて監督を担当するオリジナルの劇場アニメであり、アニメ『ノーゲーム・ノーライフ』や『宇宙よりも遠い場所』で知られる彼女の独自の視点が光ります。

企画とキャラクターデザイン

映画の制作チームは、いしづか監督が手掛けるプロジェクトを楽しみにしていました。彼女は「特別なきっかけはなかった」ものの、常に一緒に作業する仲間たちとの自然な会話から次のアイデアが生まれたと語っています。また、キャラクターデザインは『宇宙よりも遠い場所』の際にコラボした吉松孝博が担当しました。彼は3人の男の子の内、ドロップのデザインが一番難しかったと話しています。最初の設定では彼らは高校3年生でしたが、吉松が年齢を下げたことで足を短くするデザインが求められ、リアルさや鈍臭さが感じられるシルエットを目指した結果となりました。

コロナ禍の影響で物語の舞台となるアイスランドで実際にロケハンできなかったこともあり、映像美に対する挑戦が続きました。

あらすじ

物語は、田舎で農業を手伝いながら高校に通うロウマ（声：花江夏樹）の視点から描かれます。彼は周囲の同級生とあまり関わりを持たず、優等生のトト（声：梶裕貴）とともに「ドングリーズ」と呼ばれるチームを結成します。このチームは、地元の夏祭りの際に小さな花火大会を開くことを約束していました。上京したトトは約束を果たすために里帰りしますが、その場には不思議な少年ドロップ（声：村瀬歩）も加わります。

彼らは中古ドローンを使って、今年の夏祭りの花火を空から撮影することに決めます。しかし、準備が整わない中で様々な悪戯を行い、最終的にドローンは不明に。さらに山火事の発生によって、彼らは放火犯の疑いをかけられてしまいます。無実を証明するため、彼らはドローンを探しに山の中へと足を踏み入れます。途中、さまざまな困難に直面しながらも友情を深めていく3人は、様々なエピソードを通じてそれぞれの過去や夢についても語り合います。

友情と成長の物語

彼らの冒険は、友情や自己発見の物語として展開し、特にロウマとトトは、ドロップが重い病を抱えていることに気づきます。しかし、ドロップは一切その素振りを見せず、精一杯の楽しい時間を共有しようとします。最終的に、彼らはドロップの宝物の在り処を知りにアイスランドへと旅立つことになりますが、その途中で出会った経験を通して大切な思い出と友情を築いていきます。

作品のテーマ

本作は「15歳の最後の冒険」をテーマにし、出会いや友情の重要性を描いています。ラストでの「グッバイ、ドン・グリーズ！」のメッセージには、思春期特有の葛藤や喜びを知らない自分たちへの自虐的な視点も感じられ、深い感銘を与えています。ここに人間としての成長と素晴らしい冒険が融合し、観る者に大きな感動をもたらす作品となっています。

まとめ

『グッバイ、ドン・グリーズ！』は、青春や冒険、友情の素晴らしさを感じさせる作品です。情緒豊かなキャラクターたちの成長と絆が、見る人の心に響くこと間違いありません。音楽や作画も見事に表現されており、多くの人に愛される作品として評価され続けています。

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