グッバイラブ

概要

桂銀淑（けい・うんすく）が1990年 1月24日にリリースした通算6枚目のシングル「グッバイラブ」について詳細に解説します。このシングルは、当時の主要レコード会社の一つであった東芝EMIから発売されました。桂銀淑のシングル作品の中でも、その音楽性に特徴が見られる一作です。

楽曲の音楽性

表題曲である「グッバイラブ」は、歌手・桂銀淑の従来のイメージとは異なる、特筆すべき音楽的アプローチが採用されています。彼女の代表的な楽曲の多くは、情感豊かな歌声を生かした演歌やムード歌謡といったジャンルに分類されるものが多いですが、「グッバイラブ」はそれらとは一線を画す、非常に軽やかで明るいポップス調のサウンドに仕上げられています。この楽曲は、アップテンポでリズミカルな要素を含み、聴き手に快活な印象を与えます。当時の桂銀淑が、自身の音楽的な幅を広げ、新たなリスナー層にもアピールしようとした意図が感じられる、挑戦的な一曲と言えるでしょう。このような軽快なポップスナンバーをシングルの表題曲として発表したことは、当時の桂銀淑のシングルとしては珍しいケースでした。

収録曲の詳細

本シングルには、表題曲「グッバイラブ」と、カップリング曲「冬かもめ」の計2曲が収録されています。それぞれの楽曲のクレジット情報は以下の通りです。

グッバイラブ
作詞: FUMIKO
作曲: 浜圭介
編曲: 川村栄二

この楽曲は、主にA面として扱われる表題曲です。作詞を手掛けたのはFUMIKO氏。感情豊かな物語を紡ぎ出す作詞家として知られています。メロディーラインを作曲したのは、数々のヒット曲を生み出し、特に歌謡曲や演歌の分野で著名な作曲家である浜圭介氏です。浜圭介氏が桂銀淑に提供した楽曲は他にも複数ありますが、この「グッバイラブ」では、彼の持つメロディーセンスがポップスという新たな枠組みの中で生かされています。そして、楽曲のアレンジを担当したのは編曲家の川村栄二氏です。川村氏による軽快なリズム感と、楽器の選び方、サウンドプロダクションが、「グッバイラブ」の持つポップス的な魅力を最大限に引き出しています。この3名のクリエイターのコラボレーションによって、桂銀淑の新たな代表曲が生まれました。

冬かもめ
作詞: やしろよう
作曲: 浜圭介
編曲: 桜庭伸幸

こちらはシングルのカップリング曲として収録されている「冬かもめ」です。作詞は、詩情あふれる歌詞で知られる作詞家・やしろよう氏が担当しました。作曲は、表題曲と同じく浜圭介氏が手掛けています。浜圭介氏が同じシングルの中で異なる雰囲気の楽曲を書き分けている点も注目に値します。編曲は桜庭伸幸氏が担当しました。桜庭氏によるアレンジが、やしろ氏の歌詞と浜圭介氏のメロディーに深みを与え、「冬かもめ」という楽曲の世界観を構築しています。カップリング曲ながらも、充実した制作陣によって丁寧に作り上げられた楽曲と言えるでしょう。

リリース時期と背景

「グッバイラブ」がリリースされたのは1990年 1月24日です。これは、日本の音楽シーンが多様化し、様々なジャンルの楽曲が登場していた時期にあたります。桂銀淑がこの時期に、自身の新たな可能性を模索する形でポップスナンバーを発表したことは、当時の音楽業界の動向や、アーティストの表現の幅が広がっていた状況を反映しているとも考えられます。このシングルは、1990年代の日本の音楽作品の一つとして、また桂銀淑のキャリアにおける特定の時点を示す記録として、位置づけられるでしょう。

まとめ

桂銀淑のシングル「グッバイラブ」は、従来の彼女のイメージを覆す軽快なポップスサウンドが特徴的な作品です。表題曲「グッバイラブ」とカップリング曲「冬かもめ」は、いずれも著名な作詞家、作曲家である浜圭介氏、そして経験豊富な編曲家によって制作されており、その質の高さがうかがえます。1990年初頭にリリースされたこのシングルは、桂銀淑の音楽性の多様性を示す重要な一作であり、彼女のファンだけでなく、当時の日本の歌謡曲やポップスに関心を持つ人々にとっても興味深い作品と言えるでしょう。東芝EMIから発売されたこのシングルは、彼女のキャリアにおける一つの節目を示す作品として記憶されています。

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