グランドスラム・アブダビ2015

グランドスラム・アブダビ2015は、2015年10月30日から11月1日の3日間にわたり、アラブ首長国連邦のアブダビで開催された国際柔道大会です。

大会結果

男子と女子の各階級で熱戦が繰り広げられましたが、詳細な結果は割愛します。

各国メダル数

各国が獲得したメダル数に関する情報も、ここでは省略します。

トラブル：イスラエル選手団のビザ発給拒否問題

今大会では、政治的な問題が影を落とす出来事がありました。元63kg級世界チャンピオンのヤーデン・ジェルビや73kg級ヨーロッパチャンピオンのサギ・ムキを含む、イスラエル選手団15名が、アブダビ当局からビザ発給を拒否されるという事態に直面したのです。

イスラエルとアラブ首長国連邦は国交がないため、このような措置が取られました。この問題に対し、国際柔道連盟（IJF）が事態の打開に向けて動き出し、アブダビ当局との交渉の結果、最終的にはイスラエル選手団にもビザが発給され、大会への参加が可能となりました。

しかし、イスラエルの国旗の下ではなく、IJFの旗の下での参加を余儀なくされるという条件が付きました。この措置は、イスラエル選手団の安全を確保し、大会を円滑に進行させるための苦肉の策として取られたものであり、イスラエル柔道連盟会長のモシェ・ポンテも、この条件を受け入れました。

ヤーデン・ジェルビによれば、アブダビで開催される国際大会への参加は6年前から試みられていたものの、今回ようやく実現に至ったとのことです。長年の努力が実を結んだ一方で、複雑な政治的背景が影響し、完全な形での参加とはなりませんでした。

一方、イスラエルのスポーツ・文化大臣であるミリ・レジェブは、今回の事態を「決して許容できるものではない」と強く批判し、このような事態が常態化しないよう、何らかの対策を講じる必要性を訴えました。スポーツと政治の関係は常にデリケートであり、今回の件もその難しさを浮き彫りにしました。

過去の事例：ワールドマスターズ2015

同様の問題は、過去にも発生しています。2015年5月にモロッコのラバトで開催されたワールドマスターズ2015では、イスラエル選手団は入国こそ認められたものの、空港で一時拘束されるという事態に見舞われました。さらに、試合会場では、選手が畳に上がるたびに観客からの野次やブーイングを浴びせられるなど、非常に厳しい状況での試合を強いられました。

グランドスラム・アブダビ2015におけるイスラエル選手団のビザ発給拒否問題は、単なるスポーツイベントにおけるトラブルとして片付けることはできません。中東地域の複雑な政治情勢と、それがスポーツに及ぼす影響を如実に示す事例と言えるでしょう。IJFの尽力により、最終的には選手団の参加が実現したものの、国旗の下での参加が認められないなど、多くの課題が残りました。今後、同様の問題が再発しないよう、関係各所のさらなる努力が求められます。

出典

* Grand Slam Abu Dhabi

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