グランドメゾン御園座タワー

グランドメゾン御園座タワー

グランドメゾン御園座タワーは、愛知県名古屋市中区栄一丁目にそびえ立つ複合マンションです。その最大の特徴は、1階に商業施設、2〜4階に伝統ある御園座、そして5〜40階が分譲マンション「グランドメゾン」となっている複合的な構造にあります。

概要

御園座の建て替え問題と運営難という背景から、積水ハウスによって御園座の建て替えと一体で建設されました。一見すると御園座のビルという印象が強いですが、実際にはグランドメゾン御園座タワーというマンションが主体であり、その区分所有者の一つとして御園座が存在しています。そのため、管理組合には御園座も理事として参加し、管理費や修繕積立金も徴収されています。

積水ハウスが建築・販売を手がけましたが、過去の顧客や問い合わせ客のみに対応したため、一般には販売されませんでした。そのため、物件の公式ホームページなどは存在せず、中古物件として売りに出されている住戸の間取りを確認できる程度です。設計・施工は鹿島建設が担当し、著名な建築家である隈研吾氏が監修を務めました。

劇場部分の外装は、伝統的ななまこ壁のデザインが採用されており、内部には御園座、御園小町（商業施設）、住宅が入っています。地下1階から6階の一部が御園座、地下1階の一部が駐車場、1階がエントランスや店舗、5階の一部がマンション住民用自転車置き場、6階の一部がマンション住戸用のエントランスやラウンジ、7階から40階が住戸となっています。

各施設の利用開始時期は異なっており、御園小町が2017年12月17日に最も早くオープンしました。住宅設備は2018年1月20日から引き渡しが開始されましたが、低層階（14階以下）については2018年8月の引き渡しとなりました。御園座は2018年4月1日にこけら落としを迎え、中部建築賞を受賞しています。

鹿島建設が独自に開発した制震技術「ハニカムダンパ」が、7階から32階までの各フロアに設置されています。この装置は、鋼材が塑性変形することで振動エネルギーを吸収し、建物自体の損傷を防ぐだけでなく、揺れを軽減して被害を抑える効果があります。また、強固な支持層に打ち込まれた73本の拡底杭がタワーを支えています。

特徴

グランドメゾン御園座タワーは、名古屋の文化的伝統を継承することを目的に、以前の御園座のファサードを特徴づけていた「なまこパターン」を光の格子として外観に取り入れています。これにより、街の記憶や御園座のイメージを継承し、外観のシンボルとしています。また、アプローチの大階段は御園座独特の朱色を継承しています。

災害時には、帰宅困難者に対して御園座の休憩所やロビーの一部分を「帰宅困難者一時待機スペース」として開放しています。ポータブル発電機やポータブルトイレ、救急セット等の防災用品、非常食を備えた「防災備蓄倉庫」も設けられています。

御園小町

御園小町は、御園座タワーの1階に入居している商業施設で、御園座の開業に先駆けて2017年12月にオープンしました。「“演”に誘い、“縁”に集う出会いの場」をコンセプトに、イオンリテール東海・長野カンパニーが運営しています。

施設内は、土産物中心の「御園楽座」、ベーカリー「御園麦工房」、和風カフェ&グリル「御園茶屋」の3つのゾーンで構成されており、食のテーマパークとなっています。営業時間は、平日は7時から22時まで、土・日・祝日は8時から22時までです。

アクセス

名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線 伏見駅下車、6番出口より徒歩約2分。

関連項目

愛知県の超高層建築物の一覧

外部リンク

御園小町

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