グリニッジ条約

グリニッジ条約

グリニッジ条約は、1543年7月1日にイングランド王国とスコットランド王国の代表間で締結された二つの条約を指します。

条約の内容

一つ目の条約は、両国間の和平を成立させることを目的としていました。二つ目の条約は、イングランド王ヘンリー8世の息子エドワード6世と、スコットランド女王メアリー1世の婚約を提案するものでした。

この婚約条約では、当時生後6ヶ月のメアリー1世が10歳になるまでイングランド貴族の夫婦が同伴し、その後は結婚するまでイングランドに留まることが定められました。また、スコットランド王国が制定した法律を維持することも認められました。この条約は、ヘンリー8世が両王国を統合（王冠連合）する計画の第一歩となるものでした。

条約締結後の経緯

スコットランドの摂政アラン伯爵は、1543年7月1日に条約に署名し、8月25日に批准しました。しかし、スコットランド議会は同年12月11日にこの条約を拒否し、その結果、ラフ・ウーイングと呼ばれる8年間に及ぶイングランド・スコットランド戦争が勃発しました。

交渉の経緯

この条約は、ロンドンにいたアダム・オッターバーン、ジョージ・ダグラス・オブ・ピッテンドリーク、グレンケーン伯爵、そしてエディンバラにいたラルフ・サドラーによる外交努力の成果でした。スコットランド側の代表は、グレンケーン伯、ピッテンドリーク、ヘンリー・バルネイブス、ジェームズ・リアマンス・オブ・デアジー、そしてアラン伯自身でした。一方、イングランド側の代表は、初代ウォルデンのオードリー男爵、第3代ノーフォーク公爵、ウィンチェスター主教スティーブン・ガーディナー、ウェストミンスター主教トマス・サールビー、初代ベイジングのセントジョン男爵、ジョン・ゲージでした。

まとめ

グリニッジ条約は、イングランドとスコットランドの和平と、両国統合に向けた重要な試みでしたが、スコットランド議会の拒否により実現しませんでした。この条約の失敗は、その後の両国関係に大きな影響を与え、長きにわたる戦争へと繋がることになりました。

参考資料

Herbert Albert Laurens Fisher. The History of England, from the Accession of Henry VII, to the Death of Henry VIII, 1485–1547 (Volume V). Longmans, Green, and Co., 1906.
Loades, David Michael. John Dudley, Duke of Northumberland, 1504–53. Oxford University Press, 1996. ISBN 0-19-820193-1
Merriman, Marcus, The Rough Wooings. Tuckwell, 2000, pp 111–136. ISBN 1-86232-090-X

外部リンク

The National Archives – Uniting the Kingdoms?

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