グリム・リーパー (バンド)

グリム・リーパー (Grim Reaper) の歴史

グリム・リーパーは、1979年にイングランドのウィチャボンで結成されたヘヴィメタルバンドで、特にNWOBHM（ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル）ムーブメントの中でも重要な存在とされる。バンドに属していたスティーヴ・グリメットはそのすばらしいボーカルで広く知られ、支持を集めた。最初の活動は1980年代初頭にさかのぼる。

結成と初期の成功

バンドはニック・ボウコットやポール・デ・メルカドなどを中心に結成され、初の録音として1981年にコンピレーション・アルバム『Heavy Metal Heroes』に参加した。1983年、エボニー・レコードからリリースしたアルバム『シー・ユー・イン・ヘル』は、バンドのキャリアにおいて重要なターニングポイントとなる。このアルバムの存在は、スティーヴ・グリメットが加入する以前のラインナップから大きな変貌を遂げたことを象徴している。

商業的成功と法廷闘争

続く1984年、1stアルバムはRCAレコードの配給によってアメリカ市場でも展開され、MTVでのプロモーション活動の影響もあってビルボードにチャートインした。1985年には、さらに踏み込んで2ndアルバム『フィアー・ノー・イーヴル』をリリースし、アメリカでのライブツアーを通じてその名声を広げていった。しかし、その後は権利に関する法廷闘争やメンバーの脱退など、困難な時期に直面することとなった。スティーヴ・グリメットが1988年に脱退したことを受け、最終的にバンドは解散を余儀なくされた。

再始動と続く活動

2006年、グリメットは「スティーヴ・グリメッツ・グリム・リーパー」と名を変えて活動を再開。オリジナルメンバーのボウコットとの共演や、29年ぶりのアルバム『ウォーキング・イン・ザ・シャドウズ』のリリースとながら、ヘヴィメタルシーンへの影響を再確認させた。しかし、2017年の南米ツアー中には、感染症の影響で右脚を切断するという予期せぬアクシデントに見舞われ、活動は一時休止を余儀なくされた。半年後に復帰したものの、2022年にはグリメットが永遠の眠りにつくこととなり、バンドは事実上の終焉を迎える。

音楽スタイルと影響

グリム・リーパーの音楽は正統派のブリティッシュ・ヘヴィメタルであり、NWOBHMの流れを汲んでいる。その中でも特に際立つのはスティーヴ・グリメットの歌唱力で、これは後に彼の他のプロジェクトへも受け継がれていった。バンドの楽曲はキャッチーでありながら、力強いメロディーとリズムでリスナーを魅了する。

メンバーとディスコグラフィ

グリム・リーパーのラインナップは時代と共に変遷があったが、最も著名なメンバーはスティーヴ・グリメットであり、彼が在籍していた1982年から1988年、そして2006年から2022年にかけてバンドを支えた。他にも、元メンバーであるニック・ボウコットや、1999年にリリースされたコンピレーション『Best of Grim Reaper』など、幾つかの代表作品がある。

グリム・リーパーの音楽は時代を越え、現在のヘヴィメタルに多大な影響を与え続けている。彼らの楽曲やスタイルは、今なお多くのアーティストにインスピレーションを与え、リスナーに愛されている。

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