グリーン (ゴルフ)

ゴルフコースにおける主要な要素の一つに、パッティンググリーンがあります。単に「グリーン」とも呼ばれるこの区域は、他のエリアに比べてきわめてきめ細やかに整備された芝生が広がり、最終目標地点となるカップ（ホール）が設けられています。ゴルファーは、このグリーンにボールを運び、そして定められた数のストローク内でカップへと沈めることを目指します。グリーン上でのプレーは、ゴルフのスコアメイクにおいて最も重要な部分を占めます。

概要

打球がグリーン面に到達し、静止した状態を「オン」と表現します。グリーン上でボールを打つ際には、通常、パターという特殊なクラブを用います。パターはボールを地面を転がすことに特化しており、この動作を「パッティング」と呼びます。プロの中にはパター以外のクラブを使うこともありますが、アマチュアは芝生保護のためローカルルールでパター使用が義務付けられている場合が多いです。

グリーンと周囲の境界部分は「カラー」や「フリンジ」と呼ばれ、グリーンの芝よりやや荒く隆起しています。カラーに止まったボールは「オン」ではありません。カラーは、ボールの転がりを調整し、グリーンからの逸脱を防ぐ役割も持ちます。

戦略

グリーン上では、力強さより繊細なタッチ、冷静な判断力、正確な距離感と傾斜の読みが決定的に重要になります。パッティングの巧拙がスコアを大きく左右します。プレイヤーが屈んで芝生を観察するのは、距離やグリーンの起伏、傾斜（ライン）を読み解き、ボールの転がりを予測するためです。カップがボールより高い位置にあるのが「上りのパット」、低い位置にあるのが「下りのパット」で、ボールが止まりやすい上りのパットを残すのが有利な戦略とされます。

芝の状態も影響が大きく、速く転がる「速い芝」、遅く転がる「遅い芝」があり、天候などで変化します。芝草の生育方向による抵抗の差は「芝目」と呼ばれます。グリーンの芝はベント芝と高麗芝があり、高麗芝の方が難しいとされます。

グリーンの形状は多様で、難易度も異なります。平坦で狭いグリーンは容易ですが、広かったり傾斜が強かったりすると難しくなります。特徴的な形状には、段差のある2段グリーン、中央が盛り上がった馬の背グリーン、丘の頂上にある砲台グリーン、周囲がハザードの浮き島グリーンなどがあり、それぞれ攻略に技術を要します。

ルールとマナー

グリーン上では、マークを使用してボールを拾い上げ、拭くことが許されます。ボール交換は損傷時のみ。グリーン上の他人のボールに自分のボールを当てると2罰打です。邪魔なボールにマークを要請できます。マークは多様な種類があります。

自分のショットでできたボールマークは速やかに修復する義務があります。特にパットの線上のボールマークは必ず直します。ただし、パットライン上のボールマーク以外の傷を修復すると2罰打となるため注意が必要です。ライン読みは必要ですが、時間をかけすぎず、円滑なプレーを心がけましょう。

関連項目

フェアウェイ
ラフ
* バンカー

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