グリーンイグアナ

グリーンイグアナ（Iguana iguana）

グリーンイグアナは、イグアナ科グリーンイグアナ属に分類される大型のトカゲで、その名の通り鮮やかな緑色の体色が特徴です。単にイグアナと呼ばれることもあります。

分布

中南米を中心に広く分布しており、ガイアナ、コスタリカ、コロンビア、ブラジル、メキシコ、西インド諸島など、様々な国や地域で見られます。

形態

最大全長は1.8メートルにも達し、非常に大きくなります。体色は緑色の他にも、灰褐色や赤褐色、黒褐色など様々です。幼体は特に鮮やかな緑色をしています。オスの成体は、背中にクレストと呼ばれるたてがみ状の鱗が発達します。

生態

熱帯雨林に生息し、水辺を好みます。水面に張り出した木の枝などにいることが多いです。泳ぎが得意で、危険を感じると水中に飛び込んで逃げます。陸上では、外敵に対して噛みついたり、尾を打ち付けたりして身を守ります。

食性はほぼ植物食で、葉や果実などを食べます。繁殖形態は卵生で、一度に24個から45個程度の卵を産みます。

グリーンイグアナは非常に知能が高く、人の顔を識別することができます。

各部の名称

クレスト: 頭から尻尾にかけて発達した、たてがみ状の鱗のことです。興奮すると逆立ちます。
デューラップ: 喉から首にかけて垂れ下がった皮膚のことです。これも興奮すると広がります。

人間との関係

日本では、グリーンイグアナは生態系被害防止外来種に指定されており、遺棄された個体が野生化し、生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されています。実際に、石垣島では定着している可能性が指摘されています。

ペットとしても飼育されており、幼体が安価で流通しています。飼育には、大型で頑丈なケージが必要です。低温や乾燥に弱いため、保温や加湿にも注意が必要です。紫外線も必要なので、日光浴をさせたり、紫外線照射ライトを使用したりします。餌は、野菜や果実を中心に与えます。配合飼料も市販されています。

グリーンイグアナは成長が早く大型になるため、飼育には十分な準備が必要です。無計画な飼育は、脱走や遺棄につながり、問題となることがあります。また、歯や爪で人に怪我を負わせる可能性もあるため、注意が必要です。特に、繁殖期のオスは気性が荒くなることがあります。

原産地では、食用として利用されており、「木の鶏」と呼ばれています。

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