グリーンIT

グリーンITとは

グリーンIT（グリーンアイティー）とは、地球環境への負荷を低減することを目的としたIT関連技術や取り組みの総称です。これは、単に環境に優しいIT機器を開発・利用するだけでなく、IT技術そのものを活用して環境負荷を減らす活動も含まれます。グリーンICTとも呼ばれます。

グリーンITの概要

地球環境や環境サステナビリティに配慮したITやコンピューティングを指し、具体的には以下のような活動を含みます。

環境負荷を低減するIT機器、システム、サービスの開発
環境負荷を低減する方法でのIT機器の製造と廃棄
環境に配慮したIT機器やサービスの選択と利用（グリーン調達、グリーン購入）
環境への配慮が不十分なIT機器やサービスの購入を避ける

コンピュータの普及に伴い、システム消費電力や発熱の増大が問題視されるようになり、グリーンITはこれらの問題を解決するための取り組みとして重要視されるようになりました。環境サステナビリティに貢献するだけでなく、コスト削減にもつながる可能性があり、経営改善にも役立ちます。

近年、地球温暖化による異常気象が深刻化する中、グリーンITは企業にとって、自社製品を選んでもらうための重要な戦略となっています。

グリーンITの定義、基本、高度な手法

グリーンITの定義はいくつか存在しますが、米国環境保護庁（EPA）の「IT機器の導入、運用、廃棄までの全過程で環境負荷を減らす包括的な考え方」が基本的な考え方とされています。

基本的な考え方

IT機器の部品や梱包材にリサイクル可能な素材を使用
製造工程と廃棄時の消費エネルギーを極力抑え、有害物質の排出を抑制
運用時の消費電力を可能な限り低減

具体的な手法

製品のプラスチック部分をリサイクル可能な素材や生分解性プラスチック（グリーンプラ）に置き換える
機器の内部構造を工夫して熱循環を改善し、廃熱効率を高める
サーバ機器の配置を工夫し、空調電力を削減

高度な手法

サーバ統合、仮想化、クラウドコンピューティングなどを活用し、IT機器の総数を削減し、利用効率を向上

関連表示

米環境保護庁（EPA）が設けた基準を満たした機器には、「エネルギースター」のロゴマークを表記することができます。この基準は情報機器だけでなく、冷蔵庫などの家電にも適用されます。

主な基準

デスクトップパソコンにはスリープ機能の付加が義務付けられる
スリープ時のシステム全体の消費電力を30W以下に抑制

日本国内のグリーンIT関連ラベル

国際エネルギースター（低消費電力）
エコマーク（特定有害物質の不使用など）
省エネラベル（エネルギー効率）
PCグリーンラベル（リサイクルなどの観点での環境配慮）
エコリーフ環境ラベル（製造・使用・廃棄）
全国統一省エネラベル（省エネ性能）

広義のグリーンIT

広義のグリーンITは、IT技術を活用して地球環境への負荷を低減する取り組みも含まれます。例えば、以下の様な取り組みがあります。

業務のIT化による効率向上
ITシステムによる設備の高度な電力制御

具体的な例

文書作成・管理のIT化によるペーパーレス化（紙の使用量削減、森林伐採量の削減）
ビデオ会議システムの活用による出張削減（移動に伴うエネルギー浪費削減）
テレワーク推進による通勤削減（通勤に伴うエネルギー浪費削減）
遠隔授業の実現（通学に伴うエネルギー浪費削減）
遠隔医療の実現（医療従事者の移動や患者の通院に伴うエネルギー浪費削減）
住宅やオフィスのエネルギー利用の最適化（HEMS/BEMS等）

グリーンITは、環境保護と経済性の両立を目指す、持続可能な社会を築く上で不可欠な取り組みです。

関連項目

グリーンICT
半導体の低消費電力技術
節電
待機電力
RoHS
京都議定書
カーボンオフセット
データ移行
ダイマクション、バックミンスター・フラー

外部リンク

グリーンIT委員会
グリーンITとは
Topics : グリーンIT - 省電力・熱対策から始める環境プロジェクト - Computerworld.jp
グリーンITに目覚めよ - CIO Online

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