グルーベル＝ロイド指数

グルーベル＝ロイド指数とは

グルーベル＝ロイド指数（GL指数）は、産業内貿易の普及度を評価するための指標であり、1971年にハーブ・グルーベルとピーター・ロイドによって提案されました。この指標は、特定の産業における輸出入のバランスを測定するもので、この数値によってその国の産業がどれほど国内外で商品を交換しているかを判断することができます。

GL指数の定義

GL指数は特定の産業iに対して次のように定義されます。ある国のその産業の輸出額をXi、輸入額をMiとした場合、GL指数は以下の式で表されます。

$$
GL_i = \frac{(X_i + M_i) - |X_i - M_i|}{X_i + M_i} = 1 - \frac{|X_i - M_i|}{X_i + M_i}
$$

この数式によれば、GL指数は0から1の範囲をとり、具体的には次のように解釈されます。

• - GLi = 1: この産業では輸出と輸入が完全に等しいことを示し、理想的な産業内貿易が行われているとされます。
• - GLi = 0: この産業では輸出または輸入しか行われておらず、産業内貿易は成立していないことを意味します。

この定義を拡張して、国1から国2への輸出をX12、国2から国1への輸入をX21とすることで、国間貿易の一般的な表現も可能です。これにより、GL指数はさらに広範囲な貿易関係を反映させることができます。

国レベルのGL指数

国レベルでのGL指数は、全産業における貿易を統合して計算されます。2つの国（国1と国2）のGL指数は、以下の式で求められます。

$$
GL_{12} = \sum_{i=1}^{N} \frac{X_{12i} + X_{21i}}{\sum_{k=1}^{N} (X_{12k} + X_{21k})} GL_{12i}
$$

ここで、Nは産業の数を示します。この式の展開を通じて、GL指数は輸出入の不均衡を可視化し、産業内貿易の実態をより深く理解するための手段となります。

推定値と研究結果

GL指数の値は、産業の分類方法に大きく影響されます。大分類の産業を用いると、異なる種類の製品の貿易が同じカテゴリー内に含まれ、その結果、計算された指数が大きくなります。また、小分類を使用すれば、より具体的なアイテムの貿易が行われ、指数の値は小さくなる傾向があります。

2009年発表の研究では、2006年のデータを元に国々の産業内貿易指数が計算されました。この結果、高所得国と低所得国においてGL指数の平均がそれぞれ0.32と0.07であることが示されています。具体的には、高所得国では主に製品の差別化を求める業者間の水平的な産業内貿易が盛んであることが示唆されており、中間財の取引なども含めた垂直的な貿易も行われていると考えられます。

おわりに

グルーベル＝ロイド指数は、産業内貿易の多様な側面を評価するための有力なツールです。この指標を通じて、国際貿易がどのように機能しているかを深く理解することができます。

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