グレナダの国章

グレナダの国章は、1973年12月6日に制定された、カリブ海の島国グレナダを象徴する徽章です。この国章は、グレナダの歴史、文化、そして国民の精神を豊かに表現した、複雑で美しいデザインを持っています。

国章の構成要素

国章の中心となるのは、金の十字で四分割された盾です。この盾は、赤と緑の色で彩られ、それぞれに意味深いシンボルが配置されています。

四分割された盾
左上と右下：赤地に金の獅子。これはイギリスとの歴史的な繋がりを示唆し、イングランドの紋章にも見られるモチーフです。
右上と左下：緑地に金の三日月と百合。これはキリスト教への信仰を象徴しています。
金の十字の上：クリストファー・コロンブスの乗ったサンタ・マリア号が描かれています。これは、グレナダの発見と、その後の歴史における重要な出来事を表しています。

盾持ち
左側：アルマジロとトウモロコシ。これはグレナダの自然の豊かさと農業の重要性を示しています。
右側：国鳥であるグレナダバトとバナナ。これもまた、グレナダの自然と農業を象徴しています。

盾の上部
金の兜：騎士道と勇気を象徴しています。
赤と白のリースの上の兜飾り：ブーゲンビリアの花輪と七つの薔薇。薔薇はグレナダの6つの行政区と1つの属領区を象徴しています。

盾の下部
大エタング湖の風景：グレナダの美しい自然景観を表現しています。

リボン
"Ever Conscious of God We Aspire, Build and Advance as One People"（神の御心のままに、一人の民として打ち立て、進む）という標語が記されています。これは、グレナダ国民の団結と、神への信仰に基づいた国の発展への願いを表しています。

過去の国章

グレナダは、歴史の中で何度か国章を変更してきました。過去の国章も、その時代のグレナダの状況や価値観を反映したものでした。

国章の意味

グレナダの国章は、単なる紋章以上の意味を持っています。それは、グレナダの歴史、文化、自然、そして国民の精神を象徴する、国のアイデンティティそのものです。国章を理解することは、グレナダという国をより深く理解することに繋がります。

国章は、国旗やその他の公式な場面で使用され、グレナダ国民にとって誇りの源となっています。

参考文献

苅安望 『世界の国旗と国章大図鑑 三訂版』 平凡社 ISBN 978-4-582-40735-8
印南博之『西洋紋章パヴィリオン その形や色に隠されたドラマ』 東京美術 ISBN 4-8087-0571-0

関連項目

国章の一覧
グレナダの国旗

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