グレナダの海戦

グレナダの海戦について

1779年7月6日、アメリカ独立戦争において重要な戦闘が繰り広げられました。この戦闘は、イギリス領西インド諸島にあるグレナダ島沖で、フランス海軍とイギリス海軍が対峙したものです。この戦いは、イギリス艦隊がデスタン伯爵指揮のフランス軍からグレナダを取り戻そうと試みたものですが、結果としてはフランスの勝利に終わりました。

背景

1778年初頭、フランスはアメリカ独立戦争への参加を決定し、同年12月にはデスタン提督が西インド諸島に到着しました。彼の指揮する艦隊は12艦の戦列艦を含むもので、順調に作戦を進めていました。一方、イギリス側もホザム提督の艦隊が到着し、フランスが占有していたセントルシアを確保するなど、両国ともに海上での優位を競っていました。

1779年の前半、両艦隊はその戦力を増強し、フランス軍はイギリス艦隊に対して徐々に優位に立つようになりました。特に、フランス軍はセントビンセント島の占領後、さらに他のイギリス領を狙って動き出しました。7月にはグレナダを攻撃し、その守備隊を降伏させることに成功しました。

海戦の推移

イギリスのジョン・バイロン提督は、フランスの動きを察知し、艦隊をグレナダの奪還へと向かわせました。バイロンは、数で勝る自艦隊がフランス艦隊を圧倒できると信じ、総攻撃を命じました。その時、フランス艦隊はすでに準備を整えており、混乱した形で攻撃に出たイギリス艦隊に対して効果的に反撃しました。

実際に行われた戦闘では、イギリス艦隊は4艦が主力から離れ、著しい損傷を受けました。艦隊は戦力として184名が戦死し、346名が負傷する結果となりました。一方フランス艦隊は損失をほとんど出さず、約190名が戦死、759名が負傷しました。

戦後の情勢

戦闘後、フランス艦隊は修理のためにグレナダに戻り、イギリス艦隊は一定の退却を余儀なくされました。デスタンは、その後も西インド諸島での戦力優位を生かすことはできず、イギリス艦隊の行動を阻害することができませんでした。バイロンは8月には帰国し、デスタンも9月にはアメリカでの戦闘に参加したものの、その後の包囲戦には失敗して母国へ戻ることとなりました。

このように、グレナダの海戦は両国にとって重要な戦闘であったものの、フランスが当初の優位を持続できなかったことは、戦局全体に影響を与えたと言えるでしょう。海の覇権を巡るこの戦いは、アメリカ独立戦争の中でも特に記憶に残る出来事の一つです。

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