グレン・ルックフォード

グレン・ルックフォード

グレン・ルックフォード（Glen Luchford）は、1968年にイギリスで生まれた著名なファッション写真家であり映画監督です。現在はニューヨーク市のブルックリンとコネチカット州リッチフィールドを拠点に活動しています。彼の作品は、映画的なスタイルと洗練されたビジュアルで知られ、ファッション業界において特異な存在感を示しています。

ルックフォードは、生まれ故郷のブライトンで独学で写真を学びました。彼は15歳で学校を離れ、ロンドンに移り住み、そこで美容院で働きながら、その後のキャリアに向けての準備をしました。彼の才能に目をつけたニューヨークのエージェンシー「アート・アンド・コマース」との契約が、彼のキャリアに転機をもたらしました。この契約を通じて、彼はモデルのケイト・モスなどと早期から協業を始め、彼女のインパクトある写真を多数生み出しました。

1997年には、プラダとの専属契約を締結し、その後も多くの著名ブランドと仕事をする機会を得ました。具体的には、イヴ・サン＝ローラン、リーバイス、メルセデス・ベンツ、カルバン・クラインなどの大手企業の広告キャンペーンの撮影を手掛けてきました。彼のスタイルは、映画への愛情から強い影響を受けており、特にスタジオでの凝った照明施設を駆使して、映画のようなビジュアルを追求しています。

また、アーティストのジェニー・サヴィルとの幅広いコラボレーションも注目されています。彼らは、ガゴシアン・ギャラリーやニューヨーク近代美術館（MoMA）、さらにはヴィクトリア＆アルバート博物館において、共同で展示を行いました。ルックフォードは、様々な雑誌にも寄稿し、『The Face』『Arena』『i-D』や、イギリス版、フランス版、アメリカ版、イタリア版の『ヴォーグ』など、多岐にわたるメディアでその作品を披露しています。

彼の映画監督としての活動も忘れてはなりません。2001年に監督した『Here to Where』は、行き場を失った男を描いた作品で、エディンバラ国際映画祭でマイケル・パウエル賞にノミネートされました。映画制作においても彼の独特な視点と才腕が存分に発揮されています。

また、2009年にはエージェンシー「Art Partner」と契約し、初の単独写真集をSteidl/Danginから刊行しました。2014年にはカリフォルニア州ヴェニスにある古い建物を改装したローズ・ホテル（Rose Hotel）を開業し、クリエイティブな活動の幅を広げています。

近年では、2016年からクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレとのパートナーシップを通じて、グッチの広告写真に携わるなど、ファッション界の最前線で活躍を続けています。ルックフォードの作品は、ファッションと映画の境界を曖昧にし、常に革新を追求する姿勢に多くの人々が魅了されています。

もう一度検索