グレン・W・ショー

グレン・ウィリアム・ショー：日本文化に魅せられたアメリカ人

グレン・ウィリアム・ショー（1886年11月19日 - 1961年8月26日）は、アメリカ合衆国出身の日本文学・日本学研究者であり、英語教育者としても知られています。彼は日本とアメリカの文化交流に大きく貢献しました。

生い立ちと初期のキャリア

ショーはカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれ、コロラド州コロラドスプリングスで育ちました。1910年にコロンビア大学を卒業後、大学の同期生と結婚し、2児をもうけました。卒業後、ハワイ準州のミッド・パシフィック・インスティテュートで2年間英語教師を務めました。

1913年から1915年にかけて、ショーは家族と共に日本、朝鮮、中国、インドを放浪し、各地で英語教師のアルバイトをしていました。

日本での活動

1916年、ショーは大阪市に拠点を移し、市岡中学校、今宮中学校、大阪外国語学校、神戸高等商業学校、山口高等商業学校などで英語教師として教鞭を執りました。また、朝日新聞大阪本社や日本放送協会大阪放送局にも嘱託職員として勤務しました。彼は芥川龍之介、菊池寛、倉田百三、二葉亭四迷、山本有三らの著作を翻訳・紹介し、日本の文学作品を海外に広めることに貢献しました。特に、山口高商時代の同僚であった奈倉次郎とは親密な関係を築き、日本を離れるまで親交が続きました。

戦時中の活動

1940年、日米開戦が不可避と判断したショーは、家族と共にアメリカへ帰国しました。翌1941年には、ワシントンD.C.の海軍省にアナリストとして採用され、1944年からはコロラド大学ボルダー校にある海軍東洋語学学校の校長を務めました。この学校で、彼はアメリカ軍の兵士たちに日本語や日本文化を教え、戦時中のアメリカの対日政策に貢献しました。

戦後の活動と晩年

戦後の1949年、ショーは再び来日し、GHQ外交局（DS）に勤務しました。1950年からは駐日アメリカ合衆国大使館の文化情報官に就任し、母国に押収されていた「外務省記録」の返還に際して、マイクロフィルム化の資料選別を指揮しました。この活動を通じて、日本の歴史研究に貢献しました。

1957年に定年退官し、アメリカへ帰国する際、日本国政府から勲三等瑞宝章を授与されました。帰国途中にハワイに立ち寄り、ハワイ大学で「日本文学」と「日本文化史」の夏期講座を担当しました。

1961年8月26日、ショーはコロラド州ボルダーで亡くなりました。74歳でした。

参考文献

英語で読む倉田百三 The Priest and His Disciples: A Play - 県立広島大学
"Midway Between the Occident and the Orient" The Glenn W. Shaw Collection at the Asia Collection, University of Hawaii, Manoa

グレン・ウィリアム・ショーは、日本とアメリカの文化交流に生涯を捧げた人物として、その功績は高く評価されています。

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