グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ

グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ（GNI）とは

グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ（Greater Nagoya Initiative、GNI）は、名古屋を中心とした地域経済圏を活性化させるための戦略的な取り組みです。このイニシアティブは、地域経済をよりグローバルなものへと変革し、海外からの投資、企業、技術、人材を積極的に誘致することを目的としています。「グレーター・ナゴヤ」という統一されたブランドイメージのもと、行政、産業界、大学、研究機関などが一体となり、地域全体の魅力を高めるためのプロモーションや企業誘致活動を展開しています。

GNIの概要

GNIは、日本で初めてのモデルプロジェクトとしてスタートしました。同様の取り組みは、世界各地で見られ、「グレーター・ワシントン・イニシアティブ」や「グレーター・ロンドン・イニシアティブ」などが存在します。GNIは、中部経済産業局長であった細川昌彦氏が提唱した構想が原点となっています。

GNIの範囲

東京、大阪と並ぶ日本三大都市圏の一角を担う名古屋市を中心に、半径80kmから100kmの範囲を想定しています。この地域は、ほぼ中京工業地帯と重なり、自動車、航空宇宙、鉄道車両、工作機械、電子機器など、多岐にわたる産業が集積する、国内有数の産業集積地です。また、中部国際空港、名古屋港といった国際的な交通インフラも充実しており、日本の貿易黒字に大きく貢献しています。

GNIの推進体制

GNIは、経済産業省中部経済産業局の主導のもと、2004年7月にスタートしました。域内の産業界、行政機関などが連携し、グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ・センター（GNIC）が中心的な推進母体として活動しています。また、中部経済産業局グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ（GNI）室も重要な役割を担っています。経済産業省と日本貿易振興機構（JETRO）が連携し、資金面での支援も行っています。GNIの趣旨に賛同する海外企業との提携に関心を持つ組織（商社、製造業、研究機関など）で構成されるGNIパートナーズクラブには、360を超える組織が参加しています。

GNIの歴史と主な活動

2004年7月：初の「大名古屋経済圏における対日投資戦略会議」開催
2004年10月：経済産業省中部経済産業局内にグレーター・ナゴヤ・イニシアティブ推進チームが発足
2006年2月：グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ協議会（GNIC）設立
2005年1月：中部国際空港（セントレア）の開港を記念した外国企業向け特別招聘プログラム実施
2005年5月：日米投資イニシアティブ対日投資促進セミナー開催
2006年2月：GNI-セントレア招へい事業2006「GNIシンポジウム」
2006年7月：「グレーター・ナゴヤ・経済シンポジウム」開催
2006年11月：サンフランシスコにて「GNIセミナー」開催
2007年1月：グレーター・ナゴヤ クラスターフォーラム2007開催
以降、クラスターフォーラムや国際経済交流セミナーなどを継続的に開催

大学・研究機関との連携

グレーター・ナゴヤ地域には、名古屋大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学をはじめとする、世界をリードする先端技術を研究する多数の大学や研究機関が集積しています。これらの機関では、企業との共同研究が活発に行われ、新技術の開発や新産業の創出に貢献しています。

交通インフラ

空路

中部国際空港（セントレア）は、国際線・国内線ともに豊富な路線を持ち、グローバルビジネスの拠点として重要な役割を果たしています。また、名古屋空港は、国内線やビジネスジェットに特化した空港として、地域経済に貢献しています。

陸路

東海道新幹線を利用すれば、大阪まで約50分、東京まで約1時間40分でアクセス可能です。リニア中央新幹線の開通により、東京までの所要時間は約40分に短縮される予定です。また、東名高速道路、名神高速道路、伊勢湾岸自動車道などの高速道路網も充実しています。

海路

名古屋港は、世界約170の国と地域を結ぶ、国内最大級の貿易港です。総取扱貨物量や貿易額において、日本の物流を支える重要な拠点となっています。

GNIは、これらの活動を通じて、グレーター・ナゴヤ地域を国際競争力のある魅力的な経済圏として発展させることを目指しています。

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