グレート・ウェスタン鉄道4120形蒸気機関車

グレート・ウェスタン鉄道4120形蒸気機関車について

グレート・ウェスタン鉄道4120形蒸気機関車（4120 Class）は、イギリスのグレート・ウェスタン鉄道（GWR）によって旅客輸送を目的に製造されたテンダー式蒸気機関車の一群です。この機関車は、特定の1両の固有名から「アタバラ級」（Atbara Class）とも呼ばれています。このモデルはアメリカンスタイルの軸配置（4-4-0、または2B）を採用しています。1910年に登場したフラワー級（Flower Class）や、1897年に製造されたバドミントン級（Badminton Class）などとともに、4100形（4100 Class）というグループを形成しています。

設計の背景

この機関車の設計は、GWRの機関車総監督であったウィリアム・ディーン（1877年 - 1902年）の下で行われました。彼の視点から、3300形（ブルドッグ級）の急行列車専用バージョンとして1900年に新たに設計されたのが4120形です。基本的な設計は初期のブルドッグ級から受け継がれていますが、細部の改良が加えられており、特に設計上の変更が見られました。

車両の設計

4120形は、車輪間にシリンダーを配置する技術と内側にスティーブンソン式の弁装置を採用する基本構成を保ちながら、動輪の直径を大きくするなど、2つの主要な設計変更が実施されました。これにより、外観が一新され、以前のエレガントなビクトリア朝の面影が薄れ、より実用的で無骨なデザインに変わりました。この新しい設計は、他の機関車にも影響を与え、ブルドッグ級や本形式の直接の後継である3700形（シティ級）にも引き継がれています。

製造と運用

4120形は、急行列車専用機材として特化して設計され、1900年から1901年の間にグレート・ウェスタン鉄道スウィンドン工場で40両が製造されました。設計の特異性から追加の生産は行われず、性能向上を図ったシティ級への切り替えが進められました。1927年から1931年にかけて、全車両が廃車され、解体処分が行われました。

心配されていた性能の問題

4120形は当初、高速列車運行のために最適化された構造を持っていましたが、ボイラーの蒸気発生量不足に早くから課題が指摘されていました。後に新型のNo.4形ボイラーへの改修が計画され、新しい改良が施されました。1909年には過熱装置が装備され、性能向上が図られましたが、4073形（キャッスル級）などの新式機関車に対し性能的に劣ってしまいました。

技術的な特性

この機関車の詳細な技術的特性は以下の通りです。

• - 全長: mm
• - 全高: mm
• - 軸配置: 2B（アメリカンスタイル）
• - 動輪直径: 2,044.7mm
• - 弁装置: 内側スティーブンソン式弁装置
• - シリンダー（直径×行程）: 457.2mm×660mm
• - ボイラー圧力: 14.0kg/cm² (200lbs/in² = 1.38MPa)

4120形蒸気機関車は、急行列車専用として設計されたため、特定の目的に沿った性能を発揮しましたが、その特徴が運用での制約を生む要因ともなりました。

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