グレープ わすれもの せせらぎ コミュニケーション

グレープの名盤ボックスセット『わすれもの・せせらぎ・コミュニケーション』

1977年4月5日、フォークデュオ・グレープが解散した後に発表された3枚組のボックス・セット・アルバム『グレープ わすれもの せせらぎ コミュニケーション』は、その名の通りグレープの3枚のオリジナルアルバムを一つのパッケージに収めたものです。この特別なセットは、解散からしばらく経った時期にリリースされ、ファン向けの貴重なコレクションとされています。カセットテープ形式では『グレープのすべて』というタイトルでも発売されました。

概要と特徴

このボックスセットは、グレープの解散から約1年後にリリースされたもので、収録されているのは『わすれもの』、『せせらぎ』、そして『コミュニケーション』の3枚のアルバムです。1枚ずつ購入するよりも価格が安く設定されて6100円で提供されていたため、ファンにとっては嬉しい選択肢となりました。ただし、装丁や解説書の内容はシンプルでした。特に『わすれもの』の解説書では、収録曲のうち「雪の朝」と「精霊流し」だけに楽譜が掲載されていましたが、このボックスセット版では全曲の楽譜が収められているため、音楽ファンにとっては大きな魅力となっています。

各アルバムの収録内容

『わすれもの』

このアルバムには、さまざまな名曲が収められています。特に『精霊流し』はシングル盤とは異なるテイクで収録され、効果音が加わっている特色があります。また、デビュー曲である『雪の朝』も別テイクが収められており、こちらではさだまさしのヴァイオリン演奏が堪能できます。そのほかシングルB面曲の原曲「ひとり占い」や、チャイコフスキーにインスパイアされた『あこがれ』なども含まれています。

『せせらぎ』

『せせらぎ』のSIDE 1には、吉田正美の作詞・作曲による「ゆだねられた悲しみ」など、繊細なバラードが多く収められています。SIDE 2では、作曲を担当した吉田正美のインストルメンタルナンバー『ラウドネス』が印象的です。全体的に静謐な雰囲気が漂うアルバムです。

『コミュニケーション』

このアルバムでは、シングル版とは異なるアレンジが施された『朝刊』から始まり、さだの作品が数多く登場します。特に『縁切寺』は後にバンバンがカバーもした楽曲で、その人気は衰えません。最後のトラック『フレディもしくは三教街 - ロシア租界にて -』は、グレープの代表作の一つであり、ライブパフォーマンスでも披露され続けています。長さもダントツで、聴きごたえがある内容です。

まとめ

『グレープ わすれもの せせらぎ コミュニケーション』は、ファンにとって特別な意味を持つボックスセットであり、音楽の深い世界に触れることができる貴重なコレクションです。グレープの素晴らしい音楽の魅力を再発見する絶好の機会となっています。

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