グロイザーX

グロイザーX：変形爆撃機が駆ける、ハードなロボットアニメ

1976年から1977年にかけて、東京12チャンネル（現・テレビ東京）で放送された『グロイザーX』。桜多吾作の原作を基にナックが制作した、同局初のロボットアニメとして知られています。全39話。「大空の王者 グロイザーX」や「空爆ロボ グロイザーX」といった呼び名でも親しまれていますが、正式名称は『グロイザーX』です。ナックが手掛けた巨大ロボット作品としては、『アストロガンガー』に続く作品となります。2004年にはDVDソフトも発売され、現在でも根強い人気を誇ります。

地球侵略と、託された爆撃機

物語は、事故により地球に不時着したガイラー星の探検隊が、ゲルドン帝王率いる「ガイラー帝国」を名乗り、地球侵略を開始するところから始まります。平和主義の科学者であるヤン博士は、地球征服を企むゲルドン帝王に対抗するため、ロボットに変形可能な爆撃機「グロイザーX」を開発。娘のリタに託し、日本への亡命を図ります。

日本にたどり着いたリタは、飛島パイロットチーム（TPC）のエースパイロット、海阪譲と出会い、彼と共にグロイザーXを駆り、ガイラー帝国の空爆ロボと戦うことになります。

飛島パイロットチーム：地球を守る砦

TPCは東京湾の孤島・茜島に基地を置く民間航空会社。飛島秀樹博士がオーナーを務めています。リタとグロイザーXの亡命を受け入れ、国防軍国家保安局の管理下に置かれ、地球を守る重要な拠点となります。

主要人物

海阪譲（かいさか じょう）: TPCのエースパイロット。熱血漢で正義感が強く、やや無鉄砲な一面も。リタと共にグロイザーXのパイロットとして活躍します。
リタ: ガイラー星人。父のヤン博士からグロイザーXを託され、地球へ逃れてきました。繊細ながらも芯の強い性格で、グロイザーXのサブパイロットとして、同胞との戦いに身を投じます。
飛島秀樹（とびしま ひでき）: TPCのオーナーで科学者。宇宙工学の権威であり、譲の育ての親でもあります。
バク: TPCの長老で、元ゼロ戦パイロット。ギャグメーカー的な存在ですが、深い過去も抱えています。
サブ: TPCの最年少メンバー。マスコット的存在で、機転の利く行動も見せます。
一平（いっぺい）: TPCのメカニックマン。高い技術力を持っています。

ガイラー帝国：冷酷な侵略者たち

300年前に地球に不時着したガイラー星人の軍部が設立した組織。北極海の海底に秘密基地を構え、地球征服を企んでいます。

主要な敵

ゲルドン帝王: ガイラー帝国の首領。冷酷な軍人主義者で、リタやヤン博士を激しく憎んでいます。
ダガー元帥、ドゴス元帥、ゴーレン科学長官: 帝国の大幹部。それぞれが異なる個性と能力で、グロイザーXの前に立ちはだかります。

グロイザーX：飛行形態とロボット形態

グロイザーXは、人型ロボットである「グロイザーロボ」に変形する爆撃機。飛行形態が基本であり、劇中ではロボット形態への変形シーンは少ないという特徴があります。タキオンエネルギーを動力源とし、特殊合金「ミラクルシリコンニウム」製。小規模な損傷であれば自己修復も可能です。

搭載されている小型メカには、空中用の戦闘機「Gジェット」、地上・地中用の戦車「Gタンク」、海底用の潜水艇「Gシャーク」があり、コクピットから直接、各メカにシートごと移送されます。

様々なメカと兵器

グロイザーXは、タキオン光弾、フライング・トーペドー、タキオン・ソニックなど、様々な武器を駆使してガイラー帝国の空爆ロボと戦います。ガイラー帝国側も、多種多様な空爆ロボや兵器を開発し、地球侵略を進めていきます。

悲劇と希望の物語

『グロイザーX』は、ロボットアニメでありながら、戦争の悲惨さや、人々の葛藤、そして希望を描いた作品です。主人公の仲間や、物語に関わる人々が次々と命を落とすなど、ハードな描写も見られますが、地球人とガイラー星人の平和な未来を願う、感動的なエンディングも大きな魅力となっています。

その他

作品は『冒険王』でコミカライズ版『マジンガーZ』を手掛けた桜多吾作が原作。オープニングでは永井豪が監修としてクレジットされています。永井豪作品とは独立したストーリーのため、メディア露出は少ないものの、近年では再評価も高まっています。玩具も多数発売されており、現在でもコレクターから人気を集めています。

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