グロリア・アロヨ

グロリア・マカレイグ・マカパガル＝アロヨの略歴と大統領時代

グロリア・マカレイグ・マカパガル＝アロヨ（通称GMA）は、フィリピンの第14代大統領として知られる政治家です。1947年4月5日に、リサール州サンファンで、かつての大統領ディオスダド・マカパガルの娘として誕生しました。彼女はフィリピン大学で経済学の博士号を取得し、その後大学の教員としてのキャリアを開始しました。政治の世界に足を踏み入れたのは、アキノ大統領の下で貿易工業省の局長に任命された時です。1992年には、上院議員に選出されています。

政治キャリアと大統領就任

アロヨの政治キャリアは1998年の副大統領選挙から始まります。ホセ・デヴェネシア候補の副大統領として立候補し、見事に当選しました。2001年1月20日に、エストラーダ大統領が弾劾されると、アロヨも大統領としての職務を引き継ぎました。しかし、彼女の正当性に疑問を持つ声が高まり、社会には不安定な動きが見られました。特にエストラーダ派によるデモや暴動が相次ぎ、アロヨ政権は厳しい挑戦に直面しました。

その後、2004年には再選を目指して立候補し、前回よりも圧倒的な差をつけて勝利を収めました。この選挙では公金の不正流用が疑われ、議会での厳しい審査が行われましたが、それにもかかわらず彼女は大統領に就任しました。彼女の政権下では、イラク戦争に関して、アメリカを支持する立場を取り、フランスやドイツなどの反対国と一線を画しました。

終焉とその後の政治活動

アロヨは2009年にミンダナオ島で戒厳令を布告し、大規模な殺人事件に関与したとされる政治家一族を拘束しました。こうした厳しい手段は、彼女の強いリーダーシップを示す出来事となりましたが、同時に彼女の政権に対する支持を揺るがす要因ともなりました。

2010年からは下院議員としての活動を開始し、長男から選挙区を受け継ぎました。しかし、議員としての活動中に選挙法違反容疑や公金の不正流用の疑いで逮捕され、法的なトラブルに直面しました。特に2011年の逮捕は、フィリピンの政治史において大きな注目を浴びました。

その後、アロヨは2018年に第21代下院議長に選出され、女性として初の議長となりました。この役職では、彼女は多くの政策課題に取り組み、フィリピンの女性の地位向上にも貢献しました。

家族と私生活

私生活では、アロヨは1968年にホセ・ミゲル・アロヨと結婚し、3人の子どもに恵まれています。彼女の家族はフィリピン出身の政治家としての道を歩んでおり、その影響は現在でも続いています。

彼女の政治的な足跡は、フィリピンの歴史の中で重要な位置を占めており、現在も多くの人々に影響を与えています。アロヨは、彼女自体が持つ強い意志と政治的手腕で、フィリピンの政治状況を大きく変えた存在であることが評価されています。

もう一度検索