グローカル・タッグトーナメント

グローカル・タッグトーナメントは、九州地方を拠点とするプロレス団体、九州プロレスが主催・運営する、タッグチームによるプロレスリングのトーナメント大会です。

この大会が創設された背景には、「地方創生」と「プロレス界全体の発展」という九州プロレスが掲げる大きな目標があります。大会の理念として、日本全国各地に根差した様々なプロレス団体が、それぞれの地域を代表する誇りをかけて集結し、日本一のタッグチームという称号を目指して競い合うという点が挙げられます。これは、日本のプロレス界において、初めて全国規模で異なる団体が一堂に会し、頂点を争う試みとして注目されています。

初開催となったのは2021年です。この年のグローカル・タッグトーナメントは、10月4日に1回戦、11月1日に準決勝、そして12月6日に決勝戦が実施されました。全ての試合会場として、福岡市の西鉄ホールが使用されました。この記念すべき第1回大会には、全国から集結した全8チームが参加。激戦を勝ち抜いたGAINA選手とのはしたろう選手によるタッグチームが見事に優勝を飾りました。彼らの勝利は、単にトーナメントを制しただけでなく、当時空位となっていた第10代九州プロレスタッグ王座の獲得も同時に意味しており、大会の権威を高める結果となりました。

翌年の2022年には、大会はさらなる規模拡大を見せました。参加チーム数は前年の倍となる16チームに増加。開催地も福岡だけでなく、東京（後楽園ホール）での1回戦、大阪（アゼリア大正）での2回戦、そして福岡（西鉄ホール）での準決勝・決勝と、文字通り全国に舞台を広げて開催されました。この年は、出場チームの一部に一般公募枠を設けるという新たな試みも行われましたが、残念ながら応募はありませんでした。しかし、その代わりに特別招待枠として、日本のプロレス界を代表する団体の一つである大日本プロレスのチームが参戦し、大会に彩りを添えました。規模と知名度を高めつつ、全国各地での開催を実現した2022年大会は、グローカル・タッグトーナメントが目指す「全国大会」としての存在感を一層際立たせました。

グローカル・タッグトーナメントは、単にプロレスの試合を提供するだけでなく、地域とプロレスが一体となり、新たな価値を創造しようという九州プロレスの挑戦を象徴する大会です。全国の団体が集まり、地域の代表として戦うというユニークなコンセプトは、プロレスファンのみならず、地域社会からの注目も集めています。今後の開催においても、プロレス界における地方創生と業界発展への貢献が期待される大会と言えるでしょう。

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