ケイジ・フクダ

福田敬二：感染症対策の世界的リーダー

福田敬二（ふくだ けいじ）氏は、1955年生まれの日本の医師であり、医療行政の専門家です。アメリカ合衆国で医師としてのキャリアをスタートさせ、アメリカ疾病予防管理センター（CDC）インフルエンザ局疫学部長、世界保健機関（WHO）事務局長補代理などを歴任しました。特にインフルエンザ対策における世界的リーダーとして、国際的な医療の場で重要な役割を果たしてきました。

生い立ちと医学への道

福田氏は、東京都で医師の両親のもとに生まれました。福田家は6代続く医者の家系であり、父親の麻酔科医としての研修のため、家族でアメリカのバーモント州に移住しました。父親はそのままバーモントで勤務し、母親も総合医としての研修を受けました。福田氏は当初、映画監督を志していましたが、オベリン大学卒業後に医学の道に進むことを決意しました。

1984年にはバーモント大学で医学博士号（MD）を取得し、サンフランシスコの病院で内科医としての研修を修了。さらに、カリフォルニア大学バークレー校で公衆衛生修士号（MPH）を取得しました。これらの経験を通して、臨床だけでなく公衆衛生の分野にも関心を深めていきました。

感染症研究とCDCでの活躍

研修後、福田氏はサンフランシスコ・ベイエリアで結核とらい病の臨床に携わりました。その後、疾病対策に関する研修を受け、CDCに入所。ウイルス性発疹症・ヘルペス部門に勤務しました。1996年には、CDCのインフルエンザ部門に勧誘され、疫学チーフに就任。ここで、インフルエンザ対策における専門家としてのキャリアを本格的にスタートさせました。

WHOでの国際的な活動

2005年、福田氏はWHOに移籍し、グローバル・インフルエンザ・プログラムの科学者として活動を開始。その後、同プログラムのコーディネーター、ディレクターと順次昇進しました。2009年の新型インフルエンザの世界的な流行時には、「インフルエンザ大流行に関するWHO事務局長に対する特別アドバイザー」に任命され、パンデミック対策の最前線で指揮を執りました。

2010年にはWHO事務局長補（Assistant Director-General - Health Security and Environment）に就任し、国際的な保健安全保障の分野でリーダーシップを発揮。世界的な感染症対策に多大な貢献をしました。

人物像と私生活

福田氏は3人兄弟で、姉はロサンゼルス、弟のクリストファー・フクダも医師としてバーモント州で泌尿器科を開業し、バーモント大学医学部の助教授を務めています。福田氏はチェロを始めとする音楽を愛好し、CDC勤務時代はアトランタ、現在はジュネーブで家族と生活しています。

福田敬二氏は、医師としての知識、疫学の専門性、国際的なリーダーシップを兼ね備えた人物として、感染症対策の世界において重要な役割を果たしています。彼のキャリアは、医療の専門家を目指す人々にとって大きな刺激となるでしょう。

参考文献

Keiji Fukuda -Walking the Tightrope バーモント・メディスン、2005年春号
The Flu Hunters ニューヨークタイムス・マガジン （2004年11月7日）
* Keiji Fukuda （世界保健機構）

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