ケオクック・ウエスタンズ

ケオクック・ウエスタンズ：幻のナショナル・アソシエーション球団

ケオクック・ウエスタンズは、1875年にアメリカ合衆国アイオワ州ケオクック郡を本拠地として、ナショナル・アソシエーションに加盟したプロ野球チームです。しかし、その活動期間はわずか40日ほどという短命に終わりました。

球団史：拡張政策の犠牲

1875年、ナショナル・アソシエーションは参加球団を拡張する方針を採りました。当時、人口約15,000人のケオクック郡を本拠地とするウエスタンズもその一つとして加盟を果たします。しかし、プロ経験のある選手を集めたものの、ロースターはわずか11人という小規模なチームでした。

本拠地としたペリー・パークは、外野守備の妨げになる湖が二つもあるという特異な環境でした。投手陣では、プロ経験のないマイク・ゴールデンが防御率2.79と健闘しましたが、チーム全体の打率は.180と低迷。5月6日のセントルイス・レッドストッキングス戦で1勝を挙げたのみで、6月14日の試合を最後にチームは倒産してしまいます。

短命に終わった背景

ウエスタンズが短期間で活動を停止した背景には、当時のナショナル・アソシエーションの運営体制の問題がありました。運営基盤の弱い小都市のチームが次々と加盟しては破綻するという状況が繰り返されていたのです。この反省から、翌年のナショナルリーグ結成にあたっては、大都市を本拠地とする球団のみが参加するようになります。

所属した主な選手

チャーレイ・ジョーンズ: ウエスタンズでプロ入り後、打点王2回、ナショナルリーグ最多本塁打1回を記録。

主な球団記録

通算安打数: 14（ジミー・ハリナン、ジョセフ・クイン）
通算打点数: 10（チャーレイ・ジョーンズ）
通算登板数: 13（マイク・ゴールデン）

幻のチーム：ケオクック・ウエスタンズ

ケオクック・ウエスタンズは、ナショナル・アソシエーションの歴史の中で、一瞬だけ輝いた幻のチームとして、その名を残しています。その短い活動期間と、当時のリーグ運営の問題を象徴する存在として、野球史に刻まれています。

参考資料

チーム戦績 (Baseball Reference)
Franchises (Retrosheet)
Franchise Info(www.kypris.com)
Super70s.com

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