ケトース

ケトース：糖質を分類する重要な要素

ケトースとは、単糖類をその分子構造によって分類する際に用いられる化学用語です。鎖状構造の中にケトン基（ケトン性カルボニル基）を一つ含む単糖類を総称してケトースと呼びます。その分子式はCnH2nOn（nは3以上の整数）で表されます。

最も代表的なケトースとして、果物などに多く含まれるフルクトース（果糖）が挙げられます。私たちの体の中では、ケトースは主に2-ケトースとして存在し、アルドース（アルデヒド基を持つ単糖類）と容易に相互に変換できる性質を持っています。そのため、単にケトースといった場合、暗黙のうちに2-ケトースを指していることが多くなります。これらの相互変換は、生体内の重要な代謝経路であるペントースリン酸経路において重要な役割を果たしています。

ペントース（炭素数5）以上のケトースは、分子内のヒドロキシ基がカルボニル基に付加することで、環状構造であるヘミケタールを形成します。このヘミケタールは、フラノース環（5員環）やピラノース環（6員環）として存在し、さらにα体とβ体の2種類のアノマーが生じます。溶液中では、鎖状構造とこれらの環状構造、そしてアノマーたちが平衡状態にあり、混合物として存在しているのです。

ケトースの種類は炭素の数によって多岐に渡り、ケトトリオース（炭素数3）、ケトテトロース（炭素数4）、ケトペントース（炭素数5）、ケトヘキソース（炭素数6）、ケトヘプトース（炭素数7）などがあります。それぞれの炭素数に対応するケトースには、複数の異性体が存在します。例えば、ケトヘキソースには、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトースなどがあります。









このように、ケトースは生体内で重要な役割を果たす様々な化合物を含む、多様な一群の糖質です。その構造と性質を知ることは、糖質の代謝や機能を理解する上で不可欠です。 ケトースは、単糖類、アルドースと並んで、糖質を理解する上で重要な概念です。

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