ケニルワース・ロード

ケニルワース・ロード スタジアム概要

ルートン・タウンFCの歴史と伝統が息づくホームスタジアム、ケニルワース・ロードは、イングランドのベッドフォードシャー州ルートンに位置しています。このサッカー専用施設は、1905年にその歴史をスタートさせて以来、一貫してルートン・タウンFCの本拠地として利用されています。サッカーへの情熱が集まるこのスタジアムは、地域のシンボルの一つとなっています。

移転の経緯とその地へ

ケニルワース・ロードが建設される前、ルートン・タウンFCはダンステーブル・ロードにあったスタジアムで試合を行っていました。しかし、この地域が都市開発に伴い住宅地として整備されることになったため、クラブは新たなホームスタジアムを必要としました。その結果、1905年に現在のケニルワース・ロードの地へ本拠地が移転され、クラブの新たな歴史がこの地で始まりました。

近代化への投資と変革

ケニルワース・ロードは、時代に合わせて設備の近代化が図られてきました。特に大規模な改修が行われたのは、1980年代以降です。1985年には、多額の費用（100万ポンド）を投じて、ピッチが全面人工芝へと変更されました。これは当時のイングランドのスタジアムとしては先駆的な試みでした。

翌年の1986年には、観客席の安全性を高めるため、立ち見エリアが撤廃され、すべての席が座席へと改められました。これにより、観戦環境の向上と安全基準への対応が進められました。さらに、1991年には新しいスタンドが建設されるなど、施設拡充が進められました。そして2005年に至るまでの整備を経て、現在の収容人数は10,356人となりました。これらの改修は、スタジアムの機能性と快適性を高め、多くのファンを受け入れるための重要なステップでした。

アウェーサポーター入場禁止という異例の事態

ケニルワース・ロードの歴史の中で、特筆すべき出来事として、一時的なアウェーサポーター入場禁止措置が挙げられます。1985年3月にミルウォールFCとの試合でアウェーサポーターによる激しい暴動が発生したのを受け、当時のクラブ会長が独自の判断により、アウェーサポーターのスタジアムへの入場を全面的に禁止するという異例の措置を講じました。

しかし、この会長の一方的な決定は、リーグや協会の定める規約と衝突し、クラブは規約違反として制裁を示唆される事態に直面しました。度重なる交渉と圧力の結果、このアウェーサポーター入場禁止措置は、1990-91シーズンの開幕前に撤回されました。約5シーズンにわたって実施されたこの措置は、イングランドサッカー界において物議を醸した出来事として記録されています。

女子サッカーの歴史的な舞台として

ケニルワース・ロードは、男子サッカーの試合に加え、イングランド女子代表のホームスタジアムとしても頻繁に利用されてきました。女子サッカーにおいても、このスタジアムは重要な役割を果たしています。特に歴史に残るイベントとして、1984年に開催されたヨーロッパ女子サッカー競技会（当時、現在のUEFA女子欧州選手権に相当）の決勝戦の舞台となりました。

この決勝ではイングランドとスウェーデンが対戦しました。試合終了時のスコアはイングランドが1-0でリードしていましたが、勝敗はPK戦にもつれ込み、スウェーデンがこれに勝利。大会の初代優勝チームとなりました。このように、ケニルワース・ロードは女子サッカーの発展においても重要な一ページを刻んだスタジアムです。

今日、ケニルワース・ロードはルートン・タウンFCのホームとして、そして地域コミュニティにとって欠かせない存在であり続けています。その歴史は、移転、近代化、そして様々な出来事を通じて刻まれており、サッカーファンにとって記憶に残る場所の一つとなっています。

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