ケプラー65

ケプラー65

ケプラー65は、地球から約999光年離れたこと座に位置する恒星です。この恒星の周囲には、複数の太陽系外惑星が公転していることが確認されています。現在までに、少なくとも4つの惑星の存在が明らかになっています。

惑星系の発見

ケプラー65系の惑星は、主に二つの方法で発見されました。最初に発見された3つの惑星は、アメリカ航空宇宙局（NASA）のケプラー宇宙望遠鏡による観測データから、2013年にその存在が発表されました。ケプラー探査機は、惑星が恒星の手前を通過する際に発生するわずかな減光（トランジット）を検出することによって、多くの太陽系外惑星を発見しました。

さらに、その後の観測で、この系に4つ目の惑星が存在することが明らかになりました。これは、2019年に恒星の視線速度を精密に測定する手法によって発見されたものです。惑星の重力が恒星をわずかに揺らすことで生じるスペクトル線の偏移を検出するこの方法は、トランジット法とは異なる原理で惑星の存在を示します。

惑星の特徴

2013年に発見された3つの惑星は、いずれも主星であるケプラー65の非常に近くを公転していることが分かっています。これらの惑星の詳しい性質を探るため、初期段階では視線速度観測による質量測定が試みられました。しかし、当時の観測データにはノイズが多く含まれており、惑星の質量について正確な制約を与えることは困難でした。

その後、別のフォローアップ観測において、惑星が主星を通過するタイミングのわずかなずれを利用した「トランジット時刻変動（TTV）」の解析が行われました。このTTV解析によって、惑星の一つであるケプラー65dの質量が具体的に測定可能となりました。その結果、ケプラー65dは、地球の質量と比較して密度が著しく低い天体であることが判明しています。

ケプラー65系は、複数の観測手法を組み合わせることで詳細な情報が得られるようになった太陽系外惑星系の一つとして、研究が進められています。

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