ケルスティ・カリユライド

ケルスティ・カリユライド：エストニア初の女性大統領

ケルスティ・カリユライド（Kersti Kaljulaid）は、1969年12月30日生まれのエストニアの政治家であり、2016年から2021年まで第5代大統領を務めました。彼女は、エストニア独立以来初の女性大統領であり、46歳という若さで大統領に就任しました。

生い立ちとキャリア

カリユライドは、元国家公務員であり、2004年から2016年まで欧州会計検査院のエストニア代表を務めました。彼女は、2016年のエストニア大統領選挙が混迷するなか、「ダークホース」として登場し、国会の支持を得て大統領に選出されました。

学歴

1987年：タリン第44中学校卒業
1992年：タルトゥ大学卒業（優等）
2001年：タルトゥ大学から経営管理のMBA取得

ビジネスキャリア

1996年 - 1997年：エースティ・テレフォン（営業マネージャー）
1997年 - 1998年：エストニア貯蓄銀行（プロジェクト・マネージャー）
1998年 - 1999年：ハンサバンク（投資銀行部門）
1999年 - 2002年：首相経済顧問
2002年 - 2004年：イル発電所所長

2004年、エストニアがEUに加盟すると、欧州会計検査院のエストニア代表に任命され、2011年以降はタルトゥ大学の理事長も務めています。

政治家としてのキャリア

カリユライドは、自身を自由保守主義者と位置づけ、国家介入の少ない強力な市民社会を支持する一方、弱者への支援も重要視しています。LGBTの権利や移民などの社会問題にも革新的な見解を持ち、EUにおけるエストニアの立ち位置や社会経済問題について積極的に発言してきました。

2016年、大統領選挙が難航するなか、彼女は全政党の支持を得て大統領候補として推薦され、国会での投票で選出されました。しかし、その知名度の低さから反対意見も上がり、彼女は国民との対話を重視する姿勢を示しました。

2021年10月、2期目続投を目指しましたが、推薦人を確保できず出馬を断念し、大統領を退任しました。

受賞歴

2009年：ユーロピアン・オブ・ザ・イヤー
2014年：調和賞

人物像

カリユライドは、2度の結婚で4人の子供をもうけています。異父母兄弟には、政治家のライモンド・カリユライドがいます。

2019年には、即位礼正殿の儀参列のため来日し、地下鉄で移動したことや、国鳥であるツバメをあしらったロングドレスが話題となりました。

ケルスティ・カリユライドは、エストニア初の女性大統領として、そのリーダーシップと革新的な政策でエストニアに貢献しました。

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