ケルトス

ケルトスは、フランスで誕生した競走馬にして種牡馬です。その経歴は、他の競走馬には見られないほどドラマチックと言えるでしょう。一度は引退したにも関わらず、事情により再び競走馬として活躍したのです。

2歳となった2000年11月、ケルトスは競走馬としてのキャリアをスタートさせました。デビュー戦は2着とまずまずの滑り出しでしたが、その後は休養に入ります。

翌2001年（3歳）、3月に復帰。見事初勝利を挙げると、続くレースでも勝利を収め2連勝を達成。勢いそのままに、G1競走であるプール・デッセ・デ・プーランに挑戦しますが、結果は5着でした。その後も準重賞競走を制覇し、イギリス遠征でセントジェイムズパレスステークスに出走するも、ブラックミナルーシュに敗れ6着という結果に終わります。秋にはパース賞（G3）を制し、重賞競走初勝利を飾りますが、その後再び休養に入りました。

4歳になった2002年は、古馬として新たな挑戦が始まります。まず初戦はドバイ遠征。ドバイワールドカップに出走しますが、初めてのダート戦ということもあり、ストリートクライに敗れ8着と振るいませんでした。しかし、帰国後はミュゲ賞（G2）を制し重賞2勝目を挙げると、2度目のイギリス遠征。ロッキンジステークスでは、2着のノヴェールに3馬身半差をつけて圧勝し、念願のG1競走初制覇を達成しました。しかし、この勝利の後、脚部不安のため、ケルトスは一度目の引退を余儀なくされます。

2003年（5歳）、ケルトスはアイルランドのエアリースタッドで種牡馬としてのキャリアをスタートさせます。しかし、性器を負傷した影響で生殖能力を失い、種牡馬としての道を断たれることになりました。この事態を受け、ケルトスは再び競走馬への復帰を決意します。わずかながらも産駒を残しているという事実は、その短命だった種牡馬生活の証です。

2004年（6歳）、4月に行われた復帰戦で勝利。見事に復活を遂げます。しかし、1戦のみで再び休養に入り、その後は主に重賞競走で活躍。11月には準重賞競走を制し、復帰後2勝目を挙げました。

そして2005年（7歳）、3年ぶりにドバイ遠征。ゴドルフィンマイルに出走しますが、12着という結果に終わります。帰国後、2戦して1勝を挙げますが、その後再び引退することになりました。

ケルトスの主な産駒として、2004年生まれのイブニングタイムが挙げられます。イブニングタイムは2007年のフィーニクススプリントステークスで2着に入るなど、父譲りの才能を見せています。

ケルトスの生涯は、競走馬としての華々しい活躍と、種牡馬としての挫折、そして二度目の競走馬復帰という、非常にドラマチックなものでした。その稀有な経歴は、多くの競馬ファンに記憶され続けるでしょう。

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