ケルンLRT

ケルンLRT (Stadtbahn Köln)

ケルンLRTは、ドイツのケルン市とその周辺地域で運行されているライトレール（シュタットバーン）です。19世紀後半から路面電車が運行されていましたが、第二次世界大戦で市街地が大きな被害を受けたため、戦後にケルンと周辺都市を結ぶ交通網を再構築する必要が生じました。1960年代から地下トンネルの建設が進められ、シュタットバーンとして発展しました。

ケルンLRTの特徴として、以下の点が挙げられます。

広範囲な路線網: ケルン市内だけでなく、レーヴァークーゼンやベルギッシュ・グラートバッハなど周辺都市にも路線が広がっています。
近隣交通機関との連携: 周辺の公共交通機関と運輸連合を結び、ボンのシュタットバーンと直通運転を行うなど、広域的なネットワークを形成しています。
都心部のトンネル区間と郊外の地上区間: 都心部は地下トンネルを走行し、郊外へ向かう路線は地上を走行します。
高床車両と低床車両: 路線によって車両の床面高さが異なり、高床ホームと低床ホームが存在します。

路線

ケルンLRTの路線は、従来の路面電車網をシュタットバーン網に置き換える形で発展してきました。当初は、シュタットバーン用車両と路面電車車両が両方とも使用できる電停が多く存在しましたが、低床技術の導入により、バリアフリー化が進められました。現在では、高床路線と低床路線に分かれており、それぞれに適した車両が使用されています。

低床路線

東西線は、低床路線網導入の最初のステップとして、1994年に整備されました。この路線では、道路から35cm程度の高さの低いプラットホームが設置されています。

環状線は、当初高床式のプラットホームを整備する計画でしたが、財政的な問題から、低床路線として整備されることになりました。現在では、環状線はすべて低床車両で運行されています。

高床路線

高床路線網のすべての路線では、道路から1m高いプラットホームが設置されています。低床の路線網からは分離されており、高床ホームの整備が進められています。

13系統は環状道路線Gürtelと呼ばれ、都心部を通らない唯一の路線です。路線は同じ名称が付いている道路に沿って走っており、北側部分は高架鉄道として建設されています。

16系統と18系統はケルンのシュタットバーン網の中でもっとも距離が長い路線でボンのシュタットバーンと直結しています。

新北南トンネル

現在、新北南[トンネル]が建設中です。このトンネルは、都心部の交通渋滞を緩和し、ケルンLRTの輸送能力を向上させることを目的としています。完成すると、16系統の所要時間が約10分短縮される予定です。新トンネルは高床路線専用、現在のトンネルは低床路線専用となるため、長年の悲願であった完全分離の最終段階となります。

使用車両

ケルンLRTでは、様々な種類の車両が使用されています。主な車両は以下の通りです。

タイプB: 1973年から導入された高床車両です。4世代にわたって172編成が導入されました。
K4000形: 1995年から1998年にかけて導入された低床車両です。合計124両が導入されました。
K5000形: シーメンスが製造する高床車両です。試作車が事故を起こしたため、2編成のみが導入されました。
K4500形: ボンバルディアが製造する低床車両です。2005年から2007年にかけて69編成が導入されました。

ケルンLRTは、ケルン市民にとって欠かせない交通手段であり、今後も更なる発展が期待されています。

関連項目

ライトレール
路面電車の走る街の一覧

外部リンク

ケルン市交通局 (KVB) の公式サイト (ドイツ語)
ライン・ジーク運輸連合 (VRS) の公式サイト (ドイツ語)

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