ケータイ刑事 銭形愛

ケータイ刑事 銭形愛

『ケータイ刑事 銭形愛』は、2002年10月から2003年3月までBS-iで放送された、人気の刑事ドラマシリーズの第1作目です。全26話から成るこのドラマは、主演を宮崎あおいが務め、彼女が演じる銭形愛はIQ180の女子高校生というユニークなキャラクターです。愛は、警視総監を祖父にもつ背景を持ち、携帯電話を武器に難解な事件を解決していく姿が描かれています。

本作は、以降のシリーズに比べてコメディ要素が控えめで、シリアスで緊張感のある推理ドラマとしての色合いが強いのが特徴です。しかし、ギャグや小ネタのベースとなるようなエピソードもあり、シリーズ全体の基盤が築かれた作品とも言えるでしょう。

また、本作には特筆すべき点がいくつかあります。愛の名前は、BS-iの「i」に由来しており、物語に独特の意味を持たせています。第1話のエンディングは「To be continued…」と表示される珍しいスタイルであり、第5話では愛の誕生日が11月3日とされているものの、BS-iのプロフィールでは11月4日と紹介されるなど、設定に微妙な違いがあります。

放送中には、愛の制服のタイの色が第25話で異なる場面もあり、CGを多用したため、通常の青のタイが合成処理と干渉することを避けるための演出でした。さらに、柴田太郎というキャラクターが当初準レギュラーとして登場していましたが、特定の話数ではセリフが極端に少ないなどのエピソードもあります。

シリーズ後の「ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密」では、主演の宮崎あおいが主演していない旨がプロデューサーから語られており、彼女の成長と変化を反映した結果であるとされています。続編や映画化が構想されたこともあり、その一つとして那須博之監督による実現が計画されましたが、様々な事情により実現を見ませんでした。

主題歌はオノ・アヤコの「彼女の情景」で、印象的なメロディーがドラマの内容を引き立てています。放送終了後、この作品はDVDボックスとして発売され、特典として携帯ストラップが付属するなどのファン向けの施策も展開されました。

『ケータイ刑事 銭形愛』は、そのユニークなキャラクター設定とエピソード構成で日本のドラマ史にしっかりと名を刻んでおり、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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