ゲンティンハイランド

ゲンティンハイランド（Genting Highland）は、マレーシアのパハン州に位置する標高約1,700mの高原リゾートです。クアラルンプールから東へ約1時間の距離にあり、ゲンティン・グループによって開発されました。このリゾートは、マレーシアの「ラスベガス」とも称されるほど、エンターテイメント施設が充実しています。

概要

ゲンティンハイランドは、マレーシアで唯一政府公認のカジノを有することで知られています。このカジノは、マレーシア国内だけでなく、シンガポールや中国など、アジア各国からの観光客を魅了しています。また、ゲンティン・グループが運営するホテルも多数あり、特に「ファーストワールドホテル」は7,351室を誇る巨大ホテルとして有名です。

イスラム教徒は賭博が禁じられているため、カジノだけでなく、インドア・アウトドアのテーマパーク、ショッピングモール、ゴルフ場など、幅広い層が楽しめる施設が整備されています。コンサートホールやコンベンションセンターも併設されており、世界中から観光客が訪れる国際的なリゾート地となっています。

ゲンティンハイランド周辺には、100万年前の熱帯雨林が手付かずのまま残されています。ロープウェイ「ゲンティンスカイウェイ」からは、この美しい熱帯雨林を一望できます。標高が高いため、気温は年間を通して14℃から25℃と涼しく、熱帯地域でありながら快適な気候が楽しめます。高原自体が雲に覆われることも多く、幻想的な風景が広がります。

クアラルンプールなどの都市部から涼しい気候を求めて訪れる人も多く、特に若者たちは、普段着ることのない長袖シャツや冬用ジャケットなどを着用して、ゲンティンハイランドでのファッションを楽しんでいます。

歴史

ゲンティンハイランドの歴史は、1964年に実業家の林梧桐（リム・ゴー・トン）が、キャメロンハイランドを訪れた際に、熱帯地域における高原リゾートの可能性に着想を得たことから始まります。1965年、林梧桐はTan Sri Haji Mohammed Noah bin Omarと協力し、ゲンティンハイランド株式会社を設立しました。

1965年から1970年の間に、パハン州とスランゴール州から合計14,800エーカーの土地が譲渡され、リゾート開発が本格化しました。1969年には、当時の首相トゥンク・アブドゥル・ラーマンによって、ハイランドホテルの竣工が宣言されました。1971年には、ゲンティンハイランドで最初のホテル「ハイランドホテル」（現在はテーマパークホテル）がオープンし、その後もホテルや施設の建設・拡張が進められ、一大リゾートへと成長しました。

1997年には、ゲンティンスカイウェイが営業を開始しました。全長3.8kmの区間を時速21kmで結び、東南アジア最長のロープウェイとして認定されました。このロープウェイは、ゲンティンハイランドの頂上まで快適に移動できる手段として、多くの観光客に利用されています。

関連項目

ゲンティン・モノレール - かつて運行されていたマレーシア初のモノレール

外部リンク

公式ウェブサイト (英語)

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