コア無し惑星

コア無し惑星とは

コア無し惑星（Coreless planet）とは、惑星が形成される過程で中心部に金属質の核を持たない、理論上の地球型惑星のことです。惑星は通常、重力によって物質が集積し、内部で分化が進むと考えられていますが、コア無し惑星は、この分化の過程で特異な進化を遂げたとされています。この惑星は、ほぼ全体が岩石質のマントルで構成されていると考えられ、従来の惑星とは異なる性質を持つと予想されています。

コア無し惑星の起源

2008年に発表されたサラ・シーガーとリンダ・エルキンス・タントンの論文では、コア無し惑星の形成には主に二つのシナリオが提唱されています。

1. 酸化された物質の集積

一つ目のシナリオは、水が多く、完全に酸化されたコンドライトのような物質が惑星の材料となる場合です。この場合、惑星の形成時に全ての金属鉄がケイ酸塩に取り込まれ、核を形成するほどの金属鉄の塊ができないまま惑星が完成します。このプロセスは、恒星から遠く、温度の低い領域で形成される惑星で起こりやすいと考えられています。

2. 鉄と水の反応

二つ目のシナリオは、水と金属鉄の両方が豊富な物質が集積して惑星が形成される場合です。この場合、惑星の内部で鉄が核を形成する前に、水と反応して酸化鉄を形成します。この化学反応によって水素が放出され、鉄は酸化物としてマントルに分散し、核として凝集することがないまま惑星が形成されます。酸化鉄の小滴は非常に小さく、マントルの中に均一に混ざり込むとされています。

コア無し惑星の特徴

コア無し惑星の最も顕著な特徴は、溶融した金属核を持たないため、惑星全体として磁場を生成することが非常に難しいということです。地球のような磁場は、内部の流動的な金属核の動きによって生成されるため、核がない惑星では磁場が期待できません。また、コアのある惑星とコア無し惑星の大きさの差は、数パーセント程度と小さく、質量や半径の測定だけでは、太陽系外[[惑星]]の内部組成を正確に推定することが難しいとされています。これは、観測される惑星の表面から内部構造を推測することの難しさを示しています。

コア無し惑星の研究の意義

コア無し惑星は、太陽系外[[惑星]]の多様性を理解する上で重要な存在です。これらの惑星は、従来の惑星形成モデルでは説明できない、惑星の進化の多様性を示唆しています。今後の観測技術の向上によって、コア無し惑星が実際に発見されれば、惑星の内部構造や形成過程に関する理解が大きく進むと期待されています。

関連項目

クトニア惑星

出典

サラ・シーガー (Sara Seager)
* リンダ・エルキンス・タントン (Linda Elkins-Tanton)

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