コウジ有沢

コウジ有沢：ボクシング界のカリスマと、第二の人生

コウジ有沢。その名は、日本のボクシング史に燦然と輝く、かつて日本スーパーフェザー級を二度に渡り制覇した王者を指す。1971年7月22日、埼玉県に生まれた彼は、類まれな才能とカリスマ性でリングを魅了した。

有澤幸司という本名で1992年3月7日、プロボクサーとしてデビュー。草加有澤ジム所属。父は元同ジム所属選手、叔父は後に会長となる有澤好男、祖父は初代会長と、ボクシング一家に生まれた彼の血には、闘いの遺伝子が刻まれていた。デビュー戦は判定勝ち。その後、着実に実力をつけ、1996年4月8日、後楽園ホールで行われた日本スーパーフェザー級王座決定戦で古城賢一郎を2回KOで下し、念願の日本王者に輝く。

彼の強さは、圧倒的なKO勝ちに表れている。5連続KO防衛という驚異的な記録は、その破壊力と闘志を証明している。しかし、彼の真価はKOだけではない。リングに立つと、会場の空気が一変し、研ぎ澄まされた緊張感に包まれた。それは、彼が持つ独特のカリスマ性、観客を圧倒する存在感によるものだった。

1998年3月29日、両国国技館で行われた畑山隆則との防衛戦は、伝説の試合として語り継がれる。この試合は「究極の日本タイトルマッチ」と呼ばれ、破格のファイトマネーと、国歌斉唱が行われた。序盤から壮絶な打撃戦が繰り広げられ、9回TKO負けで王座から転落するも、この試合の激しさは、日本ボクシング史に新たな1ページを刻んだ。

しかし、コウジの闘志は消えなかった。1998年12月14日、パンサー柳田との再戦で王座奪還。その後も防衛を重ね、計11度の防衛成功という偉業を達成した。2001年3月12日、キンジ天野に敗れ王座転落、2004年1月10日には本望信人との王座挑戦も判定負けに終わる。

2005年12月13日、ピチット・ゴコーンカランジムに勝利した後、現役を引退。引退試合の前座では、小口雅之のヅラ騒動が起こり、話題をさらわれたことを、後の飯田覚士との対談でユーモラスに語っている。

引退後も、彼はリングを離れてもなお、人々を魅了し続ける。2007年以降、DEEP GLOVEなどのイベントでエキシビションマッチに参加。さらに2009年には、舞台「きら星の磁力 〜It's too soon to give up〜」で俳優デビューを果たすなど、多方面で活躍している。

現在は池袋の居酒屋『暁』でチーフ・調理を担当。彼の手腕は、料理にも発揮され、コスパの良い料理と、コウジの作る料理は好評を得ている。

コウジ有沢。その名は、単なる元ボクサーではない。ボクシング界のカリスマとして、そして、新たな道を切り拓く挑戦者として、今もなお、人々の記憶に深く刻まれている。彼の伝説は、これからも語り継がれていくことだろう。

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