コガリムアビア348便火災事故

コガリムアビア348便火災事故の概要



2011年1月1日ロシアのスルグト空港で、コガリムアビア348便(Tu-154B-2型機)がタキシング中に火災を起こしました。この事故により、3名の尊い命が失われ、43名が負傷する大惨事となりました。負傷者の中には、重傷を負った方も含まれていました。

事故機の情報



事故を起こした機体は、Tu-154B-2型機(機体記号:RA-85588)で、製造番号は83A/588です。1983年にアエロフロートでCCCP-85588として運用が開始され、1993年6月にRA-85588へ変更されました。その後、2007年4月からはコガリムアビアが運用していました。

事故の経緯



348便は、乗員8名、乗客116名、デッドヘッド職員10名を乗せ、モスクワのドモジェドヴォ空港へ向かう予定でした。現地時間13時12分(UTC8時12分)、離陸のためタキシング中に、1基のエンジンから火災が発生し、緊急避難が開始されました。当初は緊急着陸との情報もありましたが、実際にはタキシング中の事故でした。火災による火傷や煙の影響で3名が死亡、43名が負傷しました。火災は13時45分に消し止められましたが、機体は完全に焼失しました。この便には、ロシアの人気ポップグループ「Na Na」のメンバーも搭乗していました。

事故原因



事故原因の調査は、ロシア国家間航空委員会(MAK)によって行われました。並行して、犯罪捜査と火災安全規則違反の調査も開始されました。フライトデータレコーダー(FDR)とコックピットボイスレコーダー(CVR)は、機体の残骸から回収されました。当初、ロシア非常事態省は、胴体中央部からの電気的短絡が火災の原因である可能性を示唆していました。調査の結果、火災はフレーム65とフレーム68の間で発生したと推定されました。その後の調査で、エンジンと補助動力装置は火災の原因から除外されました。

最終的に、MAKは2011年9月28日に最終報告書を発表し、事故原因を「機体のフレーム62と64の間にある右発電機パネルからの火災発生」と特定しました。具体的には、発電機への接続不良が原因で、通常の10倍から20倍もの過電流が流れ、それが発火に繋がったと結論付けました。

事故後の影響



事故後、ロシア連邦運輸監督局は、事故原因が特定されるまでTu-154B型機の運航を一時停止するよう勧告しました。これにより、Tu-154M型機以外の同型機14機が運航停止となりました。コガリムアビアは、事故に遭った乗客に対して1人あたり2万ドルの補償金を支払うと発表しました。また、ロシアの保険会社Sogazは、負傷者に対して2万ドルから200万ドル、犠牲者の遺族には200万ドルの保険金を支払うと発表しました。1月6日には、3人の犠牲者全員の遺体が機体の残骸から回収されました。

この事故後、コガリムアビアはブランド名をメトロジェットに変更しましたが、2015年10月31日にメトロジェット9268便が爆破され、224名もの犠牲者を出す惨事を引き起こしました。この事件が影響し、コガリムアビアはブランド変更からわずか5年ほどで倒産する結果となりました。

関連情報



Kolavia (ロシア語)
"Информация о госпитализированных пассажирах рейса 7K 348 Сургут – Москва ООО «Авиакомпания Когалымавиа» по состоянию на 16:00 2 января 2011 года." – Ministry of Health and Social Development (ロシア語)
Ту-154Б-2 RA-85588 1 January 2011. (Archive) 国家間航空委員会ロシア語)
Final report (Archive)

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