コスモゼロ

コスモゼロ：宇宙戦艦ヤマトを支えた多様な戦闘機

コスモゼロは、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する、地球防衛軍所属の宇宙戦闘機です。その活躍はシリーズを通して目覚ましく、デザインや設定は作品ごとに微妙な変化を見せています。本稿では、コスモゼロの様々な側面を詳細に解説します。

デザインと設定の変遷

コスモゼロのデザインは、松本零士氏をはじめとする複数のデザイナーの手によって生み出されました。特徴的な十文字翼は、主翼と上下の垂直尾翼で構成され、下部垂直尾翼は着陸時に胴体に収納される可動式です。機体色は主に灰白色やシルバーを基調とし、機首は赤、コクピット前方は黒、翼の前縁は黄色といったカラーリングが一般的ですが、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』など、作品によって差異が見られます。

『宇宙戦艦ヤマト』ではヤマトの艦載機として設定されていましたが、作画の都合上、ブラックタイガーが主力となり、コスモゼロは古代進専用機として活躍しました。シリーズを通して、その地位は変遷し、『さらば[[宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち]]』では登場せず、『宇宙戦艦ヤマトII』以降の作品では、コスモタイガーIIのバリエーション機や、発展型のコスモゼロ21が登場するなど、その存在感は変化しています。

武装についても、作品によって描写に差異が見られます。機首や翼など、複数の箇所に配置された武装は、ビーム兵器であったり、実弾兵器であったりと、設定が統一されていません。

アニメ版とゲーム版、漫画版の差異

コスモゼロは、アニメ版以外にも、ゲームや漫画など様々なメディアで登場しており、それぞれに独自の設定やデザインが存在します。

例えば、ひおあきら氏の漫画版では「宇宙零戦」と呼ばれ、古代進専用機ではなく、加藤三郎も搭乗するなど、アニメ版とは異なる描写がされています。また、爆撃能力や、ヤマトからの発進・着艦方法なども、アニメ版とは大きく異なります。

PSゲーム版では、宮武一貴氏によるリデザインが施され、ステルス性を高めたデザインや、追加されたマニューバノズルなどが特徴です。設定面でも、波動エンジンのノウハウを応用した最新鋭機という設定に変更されています。

『宇宙戦艦ヤマト2199』と『宇宙戦艦ヤマト2202』

リメイクアニメシリーズである『宇宙戦艦ヤマト2199』と『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』では、デザインや設定がリファインされ、「零式52型空間艦上戦闘機〈コスモゼロ〉」として登場します。玉盛順一朗氏によるデザインは、主翼の下反角やマニューバノズルの追加など、旧作からの変更点が確認できます。量産は遅延しており、ヤマトには2機のみが搭載され、補充としてコスモファルコンが使用されています。武装はビーム兵器であるという設定が追加されています。

『2202』では、無人化された改修機「ブラックバード」が登場します。ガトランティスとの戦いを想定し、自律機動システムが搭載され、量産型波動コアを用いた波動共鳴攻撃を行うという、戦略的な役割を担っています。

まとめ

コスモゼロは、シリーズを通してそのデザインや設定、役割が変遷し、様々な解釈がなされてきた機体です。アニメ、ゲーム、漫画など、それぞれのメディアにおける特徴を理解することで、コスモゼロの奥深さをより一層楽しむことができるでしょう。その変遷は、作品全体の進化を反映し、宇宙戦艦ヤマトシリーズにおける重要な要素の一つとなっています。アニメ版とゲーム版、漫画版の違いを比較することで、それぞれの作品におけるコスモゼロの役割と重要性を理解することができます。本稿が、コスモゼロの魅力を再発見する一助となれば幸いです。

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