コソボ・メトヒヤ自治州 (1946年-1974年)

コソボ・メトヒヤ自治州：歴史的背景と変遷

コソボ・メトヒヤ自治州は、ユーゴスラビア連邦人民共和国（NFRJ）の構成国であったセルビア人民共和国に設置された自治州であり、1946年から1974年までその歴史を刻みました。その後、自治権を大幅に拡大し、コソボ社会主義自治州へと移行しました。

戦間期から自治州成立へ

戦間期において、「コソボ」という名称は特定の地域を指す言葉として用いられていましたが、それを範囲とする行政区分は存在しませんでした。独自の行政区分をコソボに設ける構想は、第二次世界大戦後、ヨシップ・ブロズ・チトー率いる共産主義政権によって具体化されました。セルビアの南部の一部を切り離して設置されたこの行政区分は、オスマン帝国のコソボ州以来の出来事でした。

1946年、かつてのオスマン帝国のコソボ州の一部は、マケドニア人民共和国としてセルビアから分離され、州都であったスコピエがその首都となりました。また、コソボ州の一部はモンテネグロ人民共和国へと編入されました。1913年のロンドン協定によってアルバニア領とされた地域もコソボ州の一部であり、ユーゴスラビアの領域外に位置していました。残りの地域はセルビアの一部として存続しました。新たに設置されたコソボ・メトヒヤ自治州の州境は、セルビア領内でアルバニア人が多数を占める地域をセルビア本国から分離する意図を持って定められました。こうして、1946年にコソボ・メトヒヤ自治州が誕生しました。

自治権の拡大と社会主義自治州への移行

1963年、コソボは正式に州としての地位を獲得しました。1970年代に入ると、コソボ・メトヒヤ自治州はユーゴスラビア、そしてセルビアの枠組みの中で徐々に大きな自治権を獲得していきました。1974年のユーゴスラビア憲法改正に伴い、自治州はコソボ社会主義自治州へと名称を変更し、他のユーゴスラビア構成国とほぼ同等の地位を与えられました。

関連項目

ヴォイヴォディナ自治州
セルビア社会主義共和国

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