コックサッカーブルース

『コックサッカーブルース』は、村上龍氏が1991年に発表したミステリー仕立ての長編小説です。物語は、各界のVIPが集う秘密のSMパーティーで、参加者の女性たちが電気ノコギリで惨殺されるという衝撃的な事件から幕を開けます。

主人公は、小さな出版社を経営する堀坂進太郎。彼は別居中の妻の服を着た見知らぬ女を自宅に泊めることになります。この出会いがきっかけとなり、堀坂はSMモデルをしている女性から剥ぎ取られた爪が送りつけられるなど、様々な変態性欲者たちと関わることになります。

事件の真相を追ううちに、堀坂は「SMの天才」と呼ばれる謎の女の存在を知ります。彼女を追い求める中で、堀坂は人間の欲望の深淵、そして狂気に満ちた世界へと足を踏み入れていくことになります。

村上龍氏ならではの独特な文体と、猟奇的ながらも美しい描写が、読者を物語の世界へと引き込みます。人間の心の闇、そして欲望の果てにあるものを描いた、読み応えのある作品です。

刊行情報
1991年5月1日、小学館より刊行
ISBN 9784093793919

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