コッラの戦い

コッラの戦いは、1939年12月7日から1940年3月13日まで、冬戦争の一部としてラドガ湖北部周辺で展開されました。この戦いは、数で圧倒的に優位なソ連軍に対し、フィンランド軍がどのようにして抵抗し、戦いを繰り広げたかを如実に示す事例として知られています。

ソ連軍は兵力ではフィンランド軍を大きく上回っていましたが、その進撃は困難を極めました。なぜなら、悪路への準備不足に加え、コッラー地方に数本しかない道路をフィンランド軍が強固に防御していたからです。そのため、ソ連軍はフィンランド軍の強固な抵抗に直面し、思うように進撃することができませんでした。フィンランド軍は、その地の利を活かし、巧みな戦術と兵士たちの不屈の精神で、ソ連軍の侵攻を食い止めました。

この戦いにおいて、フィンランド軍第12師団は多大な損害を被りながらも、冬戦争終結まで持ちこたえました。その中で、指揮官ヴォルデマル・ハッグルンド少将とアールネ・ユーティライネン中尉の間の有名な会話が残されています。少将が「コッラーは持ちこたえるか？(Kestääkö Kollaa?)」と問いかけたところ、中尉は「コッラーは持ちこたえます(Kollaa kestää)。我々が退却を命じられない限り」と答えたと伝えられています。このやり取りは、フィンランド軍の士気の高さを象徴するものとして、今日まで語り継がれています。

また、この戦いには、世界一の狙撃殺害戦果を持つとされるフィンランド軍の狙撃兵、シモ・ヘイヘも参加していました。彼の卓越した狙撃技術は、ソ連軍に大きな脅威を与え、コッラの戦いにおけるフィンランド軍の防衛に大きく貢献したとされています。

「冬戦争の奇跡」と呼ばれるように、フィンランド軍は、ソ連軍100万人に対し34万6,500人という圧倒的な兵力差をものともせず、独立を守り抜きました。コッラの戦いは、この奇跡を支えた重要な戦いの一つでした。1939年12月8日には、ソ連軍1万5,876人に対し、フィンランド軍5,090人が戦いました。シモ・ヘイヘもこの戦いに参加しています。その後も、1940年1月21日にはソ連軍2万4,622人に対しフィンランド軍4,400人が、そして1940年3月13日にはソ連軍6万5,548人に対しフィンランド軍1万4,354人が戦い、激しい攻防が繰り広げられました。この戦いは、フィンランド軍の勇敢さと不屈の精神を世界に示すこととなりました。

コッラの戦いは、フィンランド軍の勇猛さ、戦略、そして何よりも自国を守るという強い意志が結集した戦いであり、冬戦争全体を象徴する出来事として、歴史に刻まれています。

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