コトブキシステム

コトブキシステム：ゲーム史に名を刻むソフトウェア会社

コトブキシステムは、1984年に寿工業の子会社であるコトブキ技研工業を母体として設立された、日本のコンピュータソフトウェア制作会社です。設立当初は、コンピュータソフトウェアの開発・販売を主な目的としていましたが、1985年より家庭用ゲーム機市場に参入し、その名をゲーム史に刻みました。

多岐にわたる事業展開

同社は、海外製ゲームのローカライズ作品を中心に販売していましたが、自社開発のオリジナルゲームも手掛けていました。特に、マスコットキャラクター「キッドクラウン」が登場するゲームシリーズは、同社の代表作として知られています。ゲーム関連事業以外にも、飲食店経営や業務用ソフトウェア開発など、多岐にわたる事業を展開していました。

分社化とブランドの継承

寿グループの再編に伴い、コトブキシステムは主要事業を譲渡し、現在は休眠状態となっています。しかし、同社の事業は、株式会社寿フーズ（飲食店事業）、株式会社コトブキソリューション（携帯電話用ゲーム事業）、株式会社ケムコ（家庭用ゲーム・周辺機器開発事業）に引き継がれ、そのDNAは今も息づいています。

特に、ゲーム関連事業は、ケムコブランドとして知られています。ケムコは、コトブキシステムの母体であるコトブキ技研工業株式会社の英語名「Kotobuki Engineering & Manufacturing Co., Ltd.」の頭文字に由来するもので、同社製ゲームのブランド名として、広く認知されていました。分社化後も、株式会社コトブキソリューションが、ゲーム関連の「KEMCO」ブランドを受け継ぎ、新たなゲームを開発・販売しています。

マスコットキャラクター「キッドクラウン」

コトブキシステムのマスコットキャラクターである「キッドクラウン」は、『キッドクラウンのクレイジーチェイス』をはじめとする同社のゲームソフトに登場し、多くのファンに愛されました。子供のピエロのような外見が特徴で、その愛らしい姿は、ゲームの世界観をより一層引き立てました。現在もコトブキソリューションからキッドクラウンが登場する携帯電話向けアプリが公開されています。

豊富なゲームソフトラインナップ

コトブキシステムは、ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームボーイなど、様々なプラットフォームでゲームソフトを開発・販売しました。

主なタイトルは以下の通りです。

ファミリーコンピュータ:
ダウボーイ
スパイvsスパイ
時空の旅人
インドラの光
スーパーマン
真田十勇士
シャドウゲイト
ミッキーマウスIII 夢ふうせん
スーパーファミコン:
ボンバザル
ドラッケン
ラグーン
ファランクス
スーパードラッケン
キッドクラウンのクレイジーチェイス
NINTENDO64:
トップギア・ラリー
シャドウゲイト64
大刀 DAIKATANA
ゲームボーイ:
ミッキーマウス
セレクション 選ばれし者
スヌーピー・マジックショー
ミッキーマウスIV 魔法のラビリンス
それゆけ!! キッド

コトブキシステムのゲームソフトは、そのバラエティ豊かなラインナップと、個性的なキャラクターたちによって、多くのゲームファンを魅了しました。

コトブキシステムの歴史は、日本のゲーム産業の発展とともに歩んできました。同社が残した数々のゲーム作品は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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