コナート・ラグビー
アイルランド西部の港湾都市ゴールウェイに本拠地を置くラグビーユニオンクラブ、コナート・ラグビーは、同国を代表する4つの地域チームの一つです。スコットランド、ウェールズ、アイルランド、イタリア、南アフリカのクラブが参加するユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップに名を連ねています。
その起源は古く、1885年にコナート地方の地域代表クラブとして創設されました。この時、既にレンスター、マンスター、アルスターといったアイルランドの他の3地域代表チームは活動を開始していました。
ラグビーユニオンがプロ化の波を迎えた1995年、アイルランドの全4クラブもプロ契約チームへと移行します。同年、欧州クラブ王座決定戦であるハイネケンカップが産声を上げますが、アイルランドからの参加枠が3であったため、残念ながらコナートはこの最初の大会に参加することは叶いませんでした。しかし、翌シーズンに創設された下部大会、欧州チャレンジカップには参戦。ウェールズ代表HCとなるウォーレン・ガットランド氏に率いられたチームは、1997-98シーズンにプール戦を首位で突破し、準々決勝まで駒を進める健闘を見せました（準々決勝でフランスのSUアジャンに敗退）。ガットランド氏は同シーズン限りでチームを去りました。
2001年には、アイルランド、スコットランド、ウェールズのクラブによる新たなリーグ戦、ケルティックリーグがスタートし、コナートもその一員となります。最初の2シーズンはいずれも準々決勝に進出しますが、グラスゴー・ウォーリアーズ（スコットランド）とマンスター（アイルランド）に阻まれ、決勝への道は閉ざされました。さらに、2003年にはアイルランドラグビー協会（IRFU）が経費節減のため、コナート・ラグビーのプロチームとしての活動を終了させる可能性を示唆します。しかし、ファンや関係者からの強い反対運動を受け、クラブは存続が決定。その後も欧州チャレンジカップでプール戦を勝ち抜くことはありましたが、慢性的な資金不足も影響し、ケルティックリーグでは苦戦が続き、特に2007-08シーズンからは3シーズン連続で最下位に終わるなど、困難な時期を過ごしました。
転機が訪れたのは2011-12シーズンです。前シーズンにレンスターがハイネケンカップで優勝し、規定により翌シーズンの出場権を自動的に獲得したことで、アイルランド勢の出場枠に空きが生じ、コナートが繰り上げで念願のハイネケンカップ初出場を果たしました。プール戦では開幕から5連敗を喫するものの、最終戦でイングランドのハーレクインズを破り、大会での初勝利を挙げました。また、このシーズンからケルティックリーグはプロ12と名称を変更しています。
2013年には、サモア代表でも活躍したパット・ラム氏がヘッドコーチに就任。彼の指導の下、チームは徐々に力をつけます。前シーズンにチャレンジカップを制したチームが出場権を得るという規定により、この2013-14シーズンもハイネケンカップに出場したコナートは、ラグビー強豪国フランスの名門スタッド・トゥールーザンと対戦。多くの予想を覆し、16対14の僅差で勝利を収め、これはハイネケンカップ史上屈指の番狂わせとして広く報じられました。
そして、クラブの歴史に新たな1ページを刻む瞬間が訪れます。2015-16シーズン、プロ12のレギュラーシーズンを2位で終え、プレーオフに進出。決勝では同じアイルランドのライバル、レンスターとのダービーマッチとなりました。この大一番でコナートはレンスターを20対10で破り、創設から131年目にしてクラブ史上初となる主要タイトル、プロ12の優勝を果たしたのです。この快挙は、長年の苦難を乗り越えたクラブにとって大きな喜びとなりました。
現在、コナート・ラグビーはユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップにおいて競争を続けています。クラブがこれまでに獲得した主要タイトルは、プロ14（旧プロ12）の優勝1回（2015-16シーズン）です。
クラブの歴史には多くの才能ある選手たちが貢献してきました。例えば、アイルランド代表として71キャップを持ち、ワールドカップに3度出場したオイン・レダン氏、サモア代表のオフィサ・トレヴィラナス氏、トンガ代表のフェトゥウ・ヴァイニコロ氏などが挙げられます。また、現在も活躍している選手では、アイルランド代表のロビー・ヘンショー選手（現在はレンスター所属）、アメリカ合衆国代表のAJ・マクギンティ選手（現在はセール・シャークス所属）など、多くの選手がコナートを経て国内外のトップリーグでプレーしています。日本ラグビーのリーグワンにも、コルビー・ファインガア選手やアンドリュー・ディーガン選手がコナートでのプレー経験を持っています。
コナート・ラグビーは、アイルランド西部のラグビー文化を支える重要な存在として、これからもその歴史を紡いでいくことでしょう。
その起源は古く、1885年にコナート地方の地域代表クラブとして創設されました。この時、既にレンスター、マンスター、アルスターといったアイルランドの他の3地域代表チームは活動を開始していました。
ラグビーユニオンがプロ化の波を迎えた1995年、アイルランドの全4クラブもプロ契約チームへと移行します。同年、欧州クラブ王座決定戦であるハイネケンカップが産声を上げますが、アイルランドからの参加枠が3であったため、残念ながらコナートはこの最初の大会に参加することは叶いませんでした。しかし、翌シーズンに創設された下部大会、欧州チャレンジカップには参戦。ウェールズ代表HCとなるウォーレン・ガットランド氏に率いられたチームは、1997-98シーズンにプール戦を首位で突破し、準々決勝まで駒を進める健闘を見せました（準々決勝でフランスのSUアジャンに敗退）。ガットランド氏は同シーズン限りでチームを去りました。
2001年には、アイルランド、スコットランド、ウェールズのクラブによる新たなリーグ戦、ケルティックリーグがスタートし、コナートもその一員となります。最初の2シーズンはいずれも準々決勝に進出しますが、グラスゴー・ウォーリアーズ（スコットランド）とマンスター（アイルランド）に阻まれ、決勝への道は閉ざされました。さらに、2003年にはアイルランドラグビー協会（IRFU）が経費節減のため、コナート・ラグビーのプロチームとしての活動を終了させる可能性を示唆します。しかし、ファンや関係者からの強い反対運動を受け、クラブは存続が決定。その後も欧州チャレンジカップでプール戦を勝ち抜くことはありましたが、慢性的な資金不足も影響し、ケルティックリーグでは苦戦が続き、特に2007-08シーズンからは3シーズン連続で最下位に終わるなど、困難な時期を過ごしました。
転機が訪れたのは2011-12シーズンです。前シーズンにレンスターがハイネケンカップで優勝し、規定により翌シーズンの出場権を自動的に獲得したことで、アイルランド勢の出場枠に空きが生じ、コナートが繰り上げで念願のハイネケンカップ初出場を果たしました。プール戦では開幕から5連敗を喫するものの、最終戦でイングランドのハーレクインズを破り、大会での初勝利を挙げました。また、このシーズンからケルティックリーグはプロ12と名称を変更しています。
2013年には、サモア代表でも活躍したパット・ラム氏がヘッドコーチに就任。彼の指導の下、チームは徐々に力をつけます。前シーズンにチャレンジカップを制したチームが出場権を得るという規定により、この2013-14シーズンもハイネケンカップに出場したコナートは、ラグビー強豪国フランスの名門スタッド・トゥールーザンと対戦。多くの予想を覆し、16対14の僅差で勝利を収め、これはハイネケンカップ史上屈指の番狂わせとして広く報じられました。
そして、クラブの歴史に新たな1ページを刻む瞬間が訪れます。2015-16シーズン、プロ12のレギュラーシーズンを2位で終え、プレーオフに進出。決勝では同じアイルランドのライバル、レンスターとのダービーマッチとなりました。この大一番でコナートはレンスターを20対10で破り、創設から131年目にしてクラブ史上初となる主要タイトル、プロ12の優勝を果たしたのです。この快挙は、長年の苦難を乗り越えたクラブにとって大きな喜びとなりました。
現在、コナート・ラグビーはユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップにおいて競争を続けています。クラブがこれまでに獲得した主要タイトルは、プロ14（旧プロ12）の優勝1回（2015-16シーズン）です。
クラブの歴史には多くの才能ある選手たちが貢献してきました。例えば、アイルランド代表として71キャップを持ち、ワールドカップに3度出場したオイン・レダン氏、サモア代表のオフィサ・トレヴィラナス氏、トンガ代表のフェトゥウ・ヴァイニコロ氏などが挙げられます。また、現在も活躍している選手では、アイルランド代表のロビー・ヘンショー選手（現在はレンスター所属）、アメリカ合衆国代表のAJ・マクギンティ選手（現在はセール・シャークス所属）など、多くの選手がコナートを経て国内外のトップリーグでプレーしています。日本ラグビーのリーグワンにも、コルビー・ファインガア選手やアンドリュー・ディーガン選手がコナートでのプレー経験を持っています。
コナート・ラグビーは、アイルランド西部のラグビー文化を支える重要な存在として、これからもその歴史を紡いでいくことでしょう。
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