コニカカップ

コニカカップの概要

コニカカップは、日本サッカーリーグ（JSL）が主催する第3の公式戦として1990年から1991年までの2年間のみ開催されました。大会の別名は「チャレンジ'92選手権大会」であり、これは1992年に新たに発足するプロリーグの実現を目指した且つ、同年に開催されるアジアユース選手権やバルセロナオリンピック、アジアカップ1992に向けた日本代表チームの強化を兼ねていたのです。この大会には、JSL1部に所属するチームに加え、オリンピック日本代表やユース日本代表（第1回大会のみ）が参加しました。

大会の意義

それまで、日本サッカーリーグでは1・2部の全チームが参加するノックアウト方式のJSLカップが行われており、1985年以降はシーズンの開幕を示す前哨戦としての役割も持っていました。しかし、1993年に発足したJリーグに向けて、アマチュア主体のリーグのレベルを向上させるため、コニカの特別協賛により、初めて冠大会が設けられました。この大会は、上位入賞チームに賞金が支給されるなど話題を集めました。

大会は、日本リーグ1部の12チームを2つのグループに分け、ユース代表やオリンピック代表チームも交えた総当たり戦を行いました。各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進出し、勝利したチームには、試合の内容やゴール数に応じて与えられる勝ち点ボーナスが設けられ、完全サドンデスPK方式を採用するなど新たな試みが導入されました。また、夜間の試合を中心としたスケジュールも特徴的でした。

当初、1992年から実施される予定であったJリーグカップもコニカがスポンサーとなる予定でしたが、最終的には降板し、ヤマザキナビスコがその後の協賛者となりました。

ユース代表やオリンピック代表の参加

ユース代表及びオリンピック代表チームの強化も重要な目的とされましたが、試合に出場する選手を確保するのが難しく、例えば、上野良治（武南高）などはオリンピック代表の試合の翌日にユース代表として出場することもありました。このため、集まる選手たちは一時的な寄せ集めチームに過ぎず、両代表ともアジア最終予選での敗退という結果を受けました。

試合方式

大会の試合方式は、6チームまたは7チームからなる2つのグループによる1回戦総当たりの予選リーグとし、上位各2チームが準決勝で対戦します。予選リーグでは必ず勝敗が決まる方式が採用され、引き分けの場合の処理については以下のように定められています。

• - 第1回大会: 通常の5人PK戦を行い、その後はサドンデス方式。
• - 第2回大会: 延長戦をサドンデス形式とし、勝敗がつかない場合には1人ずつのサドンデスPK戦が行われました。

勝ち点ボーナス

勝利チームには勝ち点3が付与されますが、第1回大会において0-0のPK戦での勝利は「消極的ゲーム」として勝ち点が減点されることがありました。しかし第2回大会では、対策が講じられ、0-0でも「面白い試合があった」としてこのルールは廃止されました。勝ち点ボーナスとして、1試合あたり1チームが2ゴールを記録するごとに1点のボーナスが与えられ、延長戦での得点も加算されることが決められていました。

サドンデス方式

後にJリーグでも採用されることになる「Vゴール」に似たサドンデス方式は、第2回大会で導入され、その後の大会でも継続されました。これは、延長戦で先にゴールしたチームが勝者となるもので、残り時間に関わらず試合は打ち切られる方式です。PK戦も両チームが1人ずつ行う方式を採用し、公平性のある試合運営がなされました。

優勝チーム

コニカカップはこのように多くの新しい試みがあった大会でしたが、結局のところユースやオリンピック代表の強化目的も多くの課題を抱えたままでした。

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